Lowe alpine(ロウアルパイン)ECLIPSE25(イクリプス)というザックの特長は、走れるほどの重心安定性と、このサイズでは珍しい背面長調節機能、内部アクセスが容易性、の三つです。
Point 1:重心安定性
形状は「雨蓋式」のように見えますが、「パネルローダー」です。パネルローダーとはファスナーで開閉するタイプのものです。
実は僕はパネルローダーのザックは持っていなかったので、日帰り用で買っちゃいました。
幅が狭く見えますが、コンプレッションの具合によってはもっとダルマのようにもう少し横幅が広がります。
横から。7割りくらいモノを詰めてます。
25リットルという容量は日帰りするなら十分なサイズであり、軽量化を極めれば夏山テント泊まで出来るサイズだと思っています。軽量化のコツは、ザックの容量をまず先に決めてしまうことですからね。そうすれば余計な装備は自ずと削れていきます。
パネルローダーのザックは雨蓋式と比べると開閉が楽ですが、一般的にパッキングは難しいです。雨蓋式は円柱の袋状ですので上からモノを詰めていくだけでパッキングが完成しますが、パネルローダーは上から詰めるだけだとどうしても重心が下がりがちです。
このECLIPSE25はコンプレッションがしっかりしています。コンプレッション次第でサックの形状を変えられるので、好みの重心にしやすいのです。
また形状も雨蓋式に近いものになっていますので上までパッキングがしやすくなっています。
背面には緩衝素材とメッシュが配置され、空気の通りが良くなっています。低山日帰りは汗をたくさんかくのでこの背面の空気の通りは重要なポイントです。
ショルダーハーネスにはホイッスルが付いてます。
このザックの大きな特長のひとつは背面長が調節可能なことです。この容量でパネルローダータイプで背面長が調節できるザックはあまりありません。
ポケットですが、まず上に一つ。ここにはヘッドライトなどの緊急性の高いものや、良く使うものを入れると良いでしょう。
開けると中にも内ポケットが。ここには貴重品なんかを入れると良いかもしれません。
もちろんハイドレーション対応。
表側にはメッシュの大きなポケットも装備。もはや今時のザックには標準装備ですね。
ギアループも付いてます。大きなサイドポケットもあります。トレッキングポール(ストック)ループも付いてます。
ざっくりパッキングをしてみました。
このザックのもうひとつの大きな特長は片側のファスナーが根元までガバッと開くところです。これは緊急時に荷物をすぐに取り出せることのみならず、パッキングの際にも非常に便利です。
視認性の良い色のレインカバー付属です。これももはや今時のザックには標準装備ですね。ちょっと前はレインカバーは買い足していたものです。
実際に使ってみた感想
トレイルラン用ザックとまでは言えなくても、ファストパッキングやスピードハイクには適していると思います。
また、後面のメッシュポケットが使いやすいです。雨蓋タイプのザックの後面ポケットは雨蓋とそれに付随するストラップが邪魔で、一度雨蓋を開けてからじゃないと使いにくいのですが、それが無いのでスムーズにモノの出し入れが出来ます。
不満を二つあげるとしたら、一つはウェストベルトのポケットにデジカメが入らなかったということです。このスペースは行動食(飴やパワージェル)くらいしか入れられません。
もう一つの不満は?サイドポケットがまっすぐ上を向いているので、背負ったままボトルを取り出さないことです。斜めに付いていれば…と思いました。
不満は多少あるものの、総合的には使いやすかったので、これからも僕の日帰り登山では活躍すると思います。
Lowe alpine(ロウアルパイン)
コメント
コメント一覧 (4)
ボクが登山を始めた頃、フランスのミレーやラフマ、ドイツのサレワ、イギリスのカリマーなどヨーロッパ製が憧れのブランドでした。縦走登山や合宿の主役であるキスリングに対し、アタックザックと呼ばれていましたが、これらは上級クライマー御用達で、庶民の味方は水道橋さかいや(安い、ボロいというのが当時の共通認識)のドリューザックなど。ミレー、サレワ、カリマーのコピー商品もありましたけど、かつての日本も今の中国みたいな時代があったのです。
その後でやってきたバックパック・ブーム。ケルティーとかジャンスポーツのフレームザックが大流行。こちらもコピーが出回りましたが、岩場や藪の多い日本の縦走路には合わないことがわかり、ブームは急速にしぼんでいきましたね。
そこにあらわれたのが大容量のアタックザック。ミレーが大型アタックに参入する前、カリマーとロウが冬山の主流になりました。私が使ったロウは、中型のフィッツロイと大型のトリオレ。シャモアスポーツが輸入代理店を務めていました。その後、ロストアローに代理権が移り、私はクラウドウォーカーとかゼファーという小型ザックを手に入れました。ロストアローを離れたロウ、かつてほどの元気がないような気がしていましたが、健在なのを知って一安心です。
たけさんは相当のキャリアの方とお見受けしますが、僕のような若輩ブログをご覧いただきありがとうございます。
ロウアルパイン、今も健在ではありますが、お話を聞くとやはり昔ほどの元気は無いようです。
このザックも高田馬場のカモシカスポーツで安くなっていたものですから(笑)
カリマーやミレー、グレコリー、オスプレーなどと比べると日本ではメジャーではありませんが、良いものは作っていると思います。知り合いも何人か大型ザックを使っていますよ。
アコンカグアのザックを追っていたら、ここに来た次第。山行記録や道具紹介でおわらないブログが面白かったので。
特に「登山のココがダメ!登山にのめり込んではいけない7の理由。」は、なかなか的確な指摘と分析。では何のために登山など?その回答としての「登山のココがイイ!登山をおすすめしたい7つの理由。」でスカッとした気分に。ただし「冬山を始めるなら、自分が死ぬ想像をしてみたほうがいい。」でしっかり注意喚起。
登山は「登りたい」という感情から始まって、体力・技術・経験・装備を天秤の片側に置き、いかにして計画(コース、季節、方法など)とバランスさせるかという知的な遊びであること。それを忘れてしまうところに遭難が起きるわけです。もちろん、自然を前にして人間の力はちっぽけなものですから、抗しきれない場合もありますが、実際にはつまらない事故が多発しています。
誰に命ぜられるわけでもなく、自分が好きで登る。そんなことで痛い目に遭う人が少しでも減ることを願いたいですね。
大先輩にそうおっしゃっていただき、感激しております。ありがとうございます。
僕も安全に楽しく山に登る人が増えれば良いなと思います。このブログが、そういうきっかけになれれば幸いと思って書いています。
これからも精進します!