僕、ぶっちゃけ思うんです。ガスストーブ使った方がトータル的に効率が良いんじゃないの?って…。



アルコールストーブという「流行」

コイツ、アルコールストーブの自作とかしちゃってるクセに何言ってんだ?って思われそうなんですけど…(笑)。まあ語らせて下さい…。

ここ数年は登山用品店に行くと必ず置いてあるアルコールストーブ。昔からあるトランギアに加え、最近はエバニューのチタン製アルコールストーブが流行っていますね。



真鍮製で味があるアルコールストーブ。結構重い。



チタン製で軽いが、値段はヘビー級だ。



ウルトラライト(UL)ハイクの影響?

なんで巷でアルコールストーブ使う人がいるのかなぁって思うんですけど、それは「ウルトラライトハイク」の考え方が流入してきているからなんですよね。多分。

僕は「ウルトラライトハイク(ULハイク)」あんまり詳しくないんです。知っていることと言えば、アメリカのハイキングカルチャーが発端であるということ、三鷹の「ハイ○ーズデポ」というお店の人が日本における「ULハイク」伝道師ということくらいです。

だからULハイクについてはよくわからないんですけど、アルコールストーブを実際に作って実用レベルまで研究した結果、アルコールストーブって、結局あまり軽量化になってないんじゃないのか?という結論に至りました(笑)。

だって、アルコールストーブなんてガスより出力全然弱いし、風にもめっぽう弱いし…。はっきり言って非効率的です。



ガスストーブのほうがトータルで軽い疑惑

確かにストーブ本体重量はガスストーブより軽いかもしれませんが、風防やらゴトクを用意していたら、今どきの軽量ガスストーブと比べたらさほど変わらない重量になります。それどころか、超軽量タイプならガスストーブのほうが軽いかもしれません。



中華製で信頼度はイマイチだけど、こんな超軽量ガスストーブも存在する。アルコールストーブも形無しだ(笑)。


それに、ガスストーブも風の影響は受けますが、アルコールストーブほどではないので、風防は無くても大丈夫なシーンがほとんどですし。

そして燃料ですよ燃料…。確かにガスは缶(カートリッジ)が重いんですけど、エネルギーは多いので、アルコールと比べて量は少なくても良いんです。アルコールの場合、ガスと同じエネルギー量を持っていこうとすると、アルコールをたくさん持っていかないといけません。それだけで十分重くなってしまいます。



このエバニューのセットなんてちゃんちゃらおかしい。ここまで揃えるくらいならガスストーブのほうが絶対に効率的やで…。



アルコールストーブのメリットは無いのか!?

ここまで書いたら、アルコールストーブなんてメリット無さすぎでは?と思ってしまいますね?

でも…メリットもあるのでご安心を。アルコールストーブのメリットをあげるとすると、燃料が安くて、比較的どこでも手に入るというところでしょうか。

ガスの場合はOD缶(いわゆるアウトドア用のガスカートリッジ)を取り扱っているお店が限られています。アルコールストーブの燃料は薬局・ドラッグストアで手に入ります。登山・キャンプ用品店が家の近所に無い人は多いと思いますが、ドラッグストアならあるよって人なら結構いるんじゃないですか?



燃料用アルコールはわりとどこでも手に入るぞ。


特に、ロングディスタンスハイク(長距離ハイク)をする際は途中の町で補給をすることもあるでしょう。そういうときにアルコールなら手に入る可能性がかなり高いですね。

なので、平地をまたぐようなハイキングなら良いかもしれません。テクテク歩いて、森の中で野営して、コトコトとアルコールストーブを燃やす穏やかなキャンプ…とか。



日本の縦走路を欧米のトレイルと同一視するな

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ただし、森林限界を越えた日本の山岳縦走路ではどうでしょうかね?僕はアルコールストーブや固形燃料は向いてない気がします。

そもそも平坦な場所がほとんど無い日本の縦走路を「トレイル」とか呼んじゃって欧米のハイキングルートと同一視するのには違和感を覚えます(笑)。

森林限界以上の山岳縦走路ではそんな「ゆるキャン」をしている余裕はありません(笑)。稜線は風も強いし、雨も多いし、とっととお湯を沸かすならガスのほうがいいですよマジで(笑)。



アルコールストーブを使う理由とは!?

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じゃあなんでアルコールストーブをみんな使いたがるのか…?

まあ…多分「アルコールストーブが好き」だからですね(笑)。道具として好きなんでしょうね。これはわかります。

アルコールの静かな燃焼が好きだったり、形が好きだったり…そんな感じですよ。さらに言えば、「アルコールストーブ使っている俺が好き」みたいな人もいるでしょう(笑)。

結局何が言いたいかというと、僕自身もアルコールストーブの非効率性は重々理解しつつ、それでもアルコールストーブ使ってみたいなぁ…という、少しマニアックなギア好き精神からアルコールストーブを製作しているわけです。

人から「アルコールストーブの悪口」を言われたら、「いやいや、アルコールストーブってのはな…」と語って、言い返してやりましょう。

でも僕の場合、アルコールストーブ使いながら内心は「うわ~ガスのほうが断然早いし、俺なにやってんだ…。俺もガス持って来りゃよかった~~~」といつも思ってますけど(笑)。