タイトルの通り、巻機山にある巻機山避難小屋付近(もちろんそこ以外も)は幕営(テント)禁止!ということを広めたいだけの記事。なぜなのかは本文を読んでいただきたい。



巻機山でテントを張る人々 

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以前、巻機山に登ったときから気になっていたことがある。巻機山避難小屋前でテントを張っていた人たちのことである。あれやっぱりいけないんじゃないかなーと思い、ふとあらためて調べてみた。

ネットで検索すると公然とテント泊をしている記録が山ほど出てくる。

しかし、山と高原地図をはじめとする登山地図には、巻機山小屋避難小屋にキャンプ指定地マークはついていない。山と溪谷社が運営するヤマケイオンライン(ただし会員登録情報)ではオフィシャルな山小屋情報を公開しており、そこではっきりと「周辺は幕営禁止」とあった。





巻機山はテント泊禁止

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画像出典:ヤマケイオンライン会員サイト(無料)

あらためて言おう、巻機山はテント泊禁止だ。キャンプ指定地がほとんど無い場所では、テントを張ってはいけないのは常識。もちろん、命に関わるような緊急時のビバークは例外として。

巻機山山頂周辺の一帯は魚沼連峰県立自然公園(新潟県)のうち、第1種特別地域となっている。ここでは許可を得ない限りテント設営など野営行為は禁止されている。

北アルプスなどでは民間の山小屋運営業者が管理者となって許可申請をして、キャンプ指定地として運営している。一方、上越国境の山は避難小屋が多く設置されており、キャンプ指定地は設置されていない。つまり「テント張らずに避難小屋使ってね」ということである。

というか、そもそも特別地域でテントがダメな理由は自然保護目的なので、周辺の池糖とか高山植物を見ればわかるよね?って話なのだが…。



なぜ禁止なのにテントを張る人がいるのか? 

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にもかかわらず、「巻機山 テント泊」で検索すると、記録が出るわ出るわ。ヤマレコ、ヤマケオンライン、ヤマップなど登山系SNSに投稿されたものから、個人のブログまで。

なぜこんなに巻機山でテント泊が出来るのが常識のようになっているのか?

理由として二つ考えたが、一つは巻機山がギリギリ上信越高原国立公園に入っていないからかもしれない。国立公園じゃないからセーフということを考えている人がいるかもしれないということだ。だがしかしこれは誤解で、国立公園じゃなく県立自然公園でも特別地域はテントは原則的にダメなのだ。

そしてもう一つ考えられるのがネットやSNSの誤った情報だろう。ネットで調べればみんなテントを張っているし、「あっ、張れるんだ~」と鵜呑みにする人がほとんどだろう。この誤った情報は悪循環を生み、さらにネットに拡散されていく。

正しい情報を発信する者が少なすぎるのだ。


巻機山はテント泊禁止ということを伝えていきたい

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というわけで、このブログ記事を書いた理由は、一言、しつこいようですが、巻機山はテント泊禁止ですよということ。正義感ぶるわけじゃないが、ネットでデマが広がっているならネットで誰かが待ったをかけねばなるまい。

それにしても、せっかくこんなに素晴らしい避難小屋が設置されててるにも関わらず、なぜテント泊をしようとするのか。巻機山はテント泊入門の山なんかじゃない。巻機山で初テントなんて、その後の登山人生の汚点でしかないよ。

しかし今回ネットを調べてもテント泊の可否を書いてあるところがほとんどなく、明確に書いてあったのはヤマケイオンライン(ただし会員登録情報)のみだった。こういう山の情報開示不足の問題もなんとかならないといけない…。

誰かなんとかしてくれ(他力本願)。



追記:2012年の山の便利帳(山と溪谷1月号付録)

山と溪谷の毎年1月号には「山の便利帳」という付録冊子がついており、山に関するデータが満載なので、巻機山避難小屋について確認してみた。僕は2012年のものしか手元になかったのだが、なんと「幕営張数3張」と書いてあるではないか!どうなっているの?ヤマケイさん!

しかし現在同じく山と溪谷社のオンラインサイト、ヤマケオンライン内の「山のデータブック」には幕営禁止とある。これは2012年では黙認されていたが、2019年現在は明確に禁止となったというわけだろうか?おおかた、狭かったスペースがモラルの無い登山者によりどんどん拡大していき、植生を脅かすようになったから…とかであろう。

2019年の山の便利帳にどう記してあるか、気になる。



おわり
2019年10月4日
2019年10月5日追記

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