冬季から春先にかけてアウトドアで活躍したそうなミッドシェルパンツ、“フロウラップパンツ”の使い勝手や使用感、使い道をご紹介します。

finetrack (ファイントラック)というメーカー

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ファイントラックは神戸に本社を置く、日本の山岳ウェア・ギアメーカーです。

聞くところによると、mont-bell(モンベル)から独立した人たちが作ったとか。

「作り手が遊び手」がモットーなだけあって、色々工夫が凝らされた製品が多いと思います。

僕の持つファイントラックの印象は高価というのと、ロゴがFacebookみたいでちょっと格好悪いなというものです。

しかし、そんな僕でもファイントラックのウェアの機能性とアイデアには一目置いておりまして、ファイントラックのパンツを二枚持っています。

どちらもボトムスの中間着(ミッドレイヤー)です。ファイントラックといえば、独自の5レイヤリングシステムでレイヤリング用のウェアを多数リリースしております。

現状のウェアのレイヤリングに満足できていないという人のニーズに見事に答えてくれているような気がします。

僕が持ってるファイントラック製品のうちひとつは“ドラウトクローパンツ”でこちらは2012年くらいに購入しました。

もうひとつは最近、2017年12月に購入した“フロウラップパンツ”です。


冬山ではいつも下半身のレイヤリングに悩んできた


人によって心地よいレイヤリングは千差万別だと思います。暑がりだったり寒がりだったり、さらに、汗かきだったり、そうじゃなかったり。

僕は寒がりなほうだと思っています。あと、あまり汗をかかない。蒸れとか汗冷えは冬山ではあまり気にしないほうです。人より代謝が悪いのかもしれません。

上半身はいつもハードシェル、フリース、ウールや化繊のベースレイヤーという3レイヤーです。よっぽど暑かったらフリースを脱ぎますが、だいたい3枚着たままでベンチレーションを開けたり、前面のジッパーを開けたりして体温調整しています。

下半身はどうかというと、あまり寒さを感じにくいほうです。これは多くの人はそうなのではないでしょうか?

下半身もレイヤリングで対応しているのですが、雪山を始めたときに上半身と同じように、

ハードシェルのオーバーパンツ(ゴアテックス)+ミッド(秋冬用トレッキングパンツ)+ベースレイヤー(メリノウール)

で対応しようと思っていました。
しかしこれでは暑いし、パンツの重ね穿きって腰回りとかが分厚くなって心地悪い…。

レイヤリングをしたほうが効果的に体温調節が出来ると思っていたので、それぞれアウター、ミッド、ベースの厚さ・素材を変えてくしかないという結論に至り、とりあえずミッドをもっと軽快なものに変えてみました。それが、

ハードシェルのオーバーパンツ+ほどよいミッド+ベースレイヤー

この程よいミッドが“ドラウトクローパンツ”でした。

ドラウトクローは厚みもフリースほどは無く、通気性も良く、無駄なポケットもないミッドレイヤー用のパンツですので重ね穿きしたときの穿き心地は良いです。

ドラウトクロー+ベースレイヤー

の2レイヤーで登り始め、森林限界からさらにオーバーパンツを穿く…というスタイルをしばらく続けました。しかし、これも慣れてくると少し暑く感じることが多くなりました。それでいて、オーバーパンツ無しだと樹林帯で風が吹くとやはり寒く、防風性能が欲しいという思いはありました。



公共交通を利用しているので、家から山まで穿けるスッキリしたパンツが欲しかった

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これがドラウトクローパンツです。


ドラウトクローパンツって結構ピッタリしてるので少しタイツっぽいんですよね。下界から単体で穿くにはシルエットがちょっとダサい…。

それにポケットがお尻に一つしかなかったので(現行モデルはサイドにありますね)、そういった意味でも下界で使いにくい。

そういう経緯で、ここ数年は

アウター(オーバーパンツ)+ベースレイヤー(ウールのタイツ)

で登り始めるようになり、ミッドのドラウトクローパンツの出番がすっかり無くなってきていました。

ベースはメリノウールなので十分暖かいということが経験で分かってきましたし、オーバーパンツで風さえ防げばほぼ完璧でした。これで良いかなと思っていましたが…。

問題は公共交通でもアプローチのときの見た目の問題でした。ハードシェルのパンツを穿いて電車やバスに乗るのも暑いし、ゴワゴワだし、やはりポケット無いし…不便だったのです。
かといって下半身タイツのみでは変態です。

結局行き着いたやり方は、バスや電車では、

短パンもしくは薄手のトレッキングパンツ+ウールのタイツ

で行動。登山開始からは、トレッキングパンツは脱ぎ、

オーバーパンツ+ウールのタイツ

でした。でも脱ぎ着するのが面倒くさいですし、短パンや薄手のパンツだってわざわざ持っていくのに煩わしさを覚えてしました。冬山ですからちょっとでも軽量化をしたいですし。

アウターの性能(防風性)を持ちつつ、トレッキングパンツのような見た目と軽快さで蒸れない、家から山頂まで穿き続けても見た目にも機能的にも違和感の無いパンツは無いものか…そう思っておりました。




finetrack (ファイントラック)“フロウラップパンツの使い道とは

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「脱ぐ間の無い絶妙シェル」としてファイントラックが発売しているのがこの「フロウラップ」シリーズです。
ファイントラックのレイヤリングシステムでは「L4」=“ミッドシェル”という位置づけです。








このパンツは今まで述べた僕の絶妙な不満を全て打ち消してくれたような気がします。

まさに、家から山頂まで、さらにまた家まで…「脱ぐ間」がありません。

使い方としては

フロウラップパンツ+ベースレイヤー(メリノウール)

で使いました。まだ2回ほどしか使ってませんが、かなり良さそうです。


1月の金峰山(奥秩父)で使用したときは、下半身、脚が寒くなるという感覚は皆無でした。森林限界越えるとかなり風は強かったんですが、防風性も申し分ないかと。それよりインナーグローブがチャチだったんで、手指の寒さの方が気になってました。

伸縮性のある防水透湿素材「エバーブレスエア」を使用しており、蒸れについても不快感は皆無、動きに関してもストレッチが効いてて不快感が皆無でした。

しなやかなので当然就寝時も着ていられます。

はっきり言って良い意味で何も感じないパンツです。穿いてることを忘れてしまうとはこのことです。


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それでいて見た目は普通のトレッキングパンツのようなシルエット。ホームページの製品説明にも

パンツは、単体着用時でもタイツの様に見えない絶妙なシルエットに仕上げています。また、アウターパンツなどとのレイヤリング時には、フラットなフロント仕様やポケット・ウエスト部分のこだわり抜いたシンプルな仕様としなやか生地感とも相まって、まるで穿いていないかのような着心地を実現しています。

単体で穿いてもタイツのように見えないシルエットって、僕のために開発したんすか?って言いたくなるくらいです。

さらにミッドレイヤー(4レイヤー)として開発されており、腰回りは紐で調節しますので、重ね穿きしても腰回りが分厚くなりません。


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スルーポケット(ベンチレーション)もあるので更なる通気も可能。



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裾は伸縮性が高い素材を併用してるので冬靴でも大丈夫。

ただし、薄い生地を使用してるので引っ掻きに弱いのと、目止め(縫い目のシーリング)をしてないので完全防水ではないです。

引っ掻きが心配されるハードな参考にはハードシェルを上から穿けば良いですし、フロウラップパンツ自体はすごく軽く小さくなるのでハードシェルパンツと一緒に持っていっても大して荷物にはなりません。




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丸めればこんなにコンパクトになのは嬉しい。


完全防水ではないことは雪山ではあまり気にならないでしょう。生地は防水ですので、十分に乾いた雪の上なら直に座っても全く濡れませんでした。


さまざまなアウトドアシーンでのマニアックなニーズを満たす!


長文駄文になりましたが、僕個人としてはおすすめな「フロウラップパンツ」

実はこの手のパンツを選ぶ際、ミレーの“ティフォン50000ウォームストレッチトレックパンツ”と迷ったのですが、ティフォン50000の実物を見ると思ってたより分厚く、オーバーパンツとトレッキングパンツの中間のような感じでした。正直、思ってたより重たいなと感じました。それでは結局中途半端になってしまうと思い、ミッドレイヤーとして軽快さを持ちつつ、アウターの性能も十分に果たすフロウラップパンツを選びました。実際すごく軽量でコンパクトですので、山のコンディションによってはオーバーパンツとの併用が可能です。

フロウラップパンツですが、なかなか使い道を難しく考える方も多く、購入した店舗の店員さんには、「これまたマニアックですね~」と言われましたが、そういう一風変わった製品こそがファイントラックらしさなのかなと思います。万人に受けるのではなく、使う人間を選ぶというか…。ニッチなニーズですよね。

しかしこのフロウラップパンツ、冬山トレッキングに限らず、サイクリングや春秋のトレッキング、冬のトレラン等、絶妙なシーンでの活躍が期待できそうです。特に春山(ゴールデンウィークの北アルプスや南アルプス)にはぴったりな気がします。

「山はいつでも中途半端」と謳うファイントラックに同感できるなら人なら間違いなく使いやすいはず!

というわけで、さまざまなアウトドアシーンでマニアックでニッチなニーズを持つ人に是非おすすめしたいパンツです。






2018年2月10日

追記:フロウラップパンツのサイズ感は?


Twitterでご指摘いただきまして、サイズ感を書いておきます。

ベースレイヤーのタイツを穿く前提のパンツなので、細すぎることもなく…。
オーバーパンツを上から穿くことも想定しているので、太すぎることもなく…。
一見するとやや細身のトレッキングパンツくらいでしょうか?薄い素材の生地なので全体的にすっきりとしているとは思います。

まあファイントラックが言う通り、「単体で穿いてもタイツに見えないくらいの絶妙なシルエット」と言えます。

僕の体型は体重58キロ、身長は175㎝で、シルエット重視でMを選びました。ですので、やや裾が短い感じです。

標準体型の175㎝ならLでも細めに着れると思いますし、丈もLのほうがいいでしょう。僕はウエスト、脚は細いほうだと思いますので試着した結果Mを選びました。

ちなみに細くても素材がよく伸びるので動く際は全く気になりませんし、厚手のタイツを中に穿いても窮屈さはありません。

ご参考までに。