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2016年11月、屋久島の宮之浦岳の登頂と旅の記録です。11月の屋久島は雨と人が少なくて実はおすすめなんです。



登山日程

2016年11月22日~25日

11月22日:羽田空港→鹿児島→屋久島→白谷雲水峡(白谷山荘)まで
11月23日:新高塚小屋まで
11月24日:停滞
11月25日:宮之浦岳を経て、淀川登山口へ下山。夕方の飛行機で鹿児島空港→鹿児島市内泊。
11月26日:鹿児島市内→鹿児島空港→羽田



メンバー

ジョア(筆者です)単独



登山口までのアプローチ

宮之浦港から白谷雲水峡までタクシー(約2,800円)
下山はバスを使用。



登山形態

単独縦走登山。



ルート

DAY1:17時00分 白谷雲水峡→18:40 白谷山荘
DAY2:06時40分発→11時20分 翁杉→14時00分 縄文杉→15時30分 新高塚小屋
DAY3:停滞(雨のため)
DAY4:06時37分発→08時50分 宮之浦岳山頂→13時50分 淀川登山口(下山)



水場情報

登山地図記載の水場参照。水が多い山なので涸れることはないのでしょう。特に白谷雲水峡から縄文杉までは水を汲める場所がいくつかあります。



ガス缶の調達と装備(防寒)

ガス缶(ガスカートリッジ)の調達について

宮之浦港近辺ですと、
ナカジマスポーツ
スーパーヤクデン
があります。ナカジマスポーツはプリムスのみ、ヤクデンはプリムスとEPIを取り扱っています。(2016年11月情報)

防寒と装備について

避難小屋泊装備(シュラフ、マット、自炊道具)、ツェルト。

防寒着:ノースフェイスのインサレーション化繊ジャケット、パタゴニアR2ジャケット、ゴアテックスの雨具、ニット帽
シュラフ:3シーズン用 イスカ エア450

秋の北アルプス夏の富士山くらいの防寒着でした。実際つららが出来るほど寒いので、ダウンなど、もう少しあっても良いと思います。ズボンは普通の夏山長ズボンでした。靴はトレランシューズです。



ルート詳細:DAY1(晴れ)

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この日は朝7時55分の羽田空港発の飛行機に乗り、10:00じ鹿児島空港に到着しました。空港からはリムジンバスで鹿児島中央駅まで行き、そこからは路面電車で屋久島行きの高速船(トッピー)乗り場へ行きます。

するとまさかの12時00分発のトッピ―が機材故障により運休となり、13時20分のトッピ―に乗るはめに。このときは予約せずに乗れました。ちなみにトッピーはほぼ揺れないので乗り物酔いしやすい僕でも快適に乗れました。

屋久島の宮之浦港に到着するとまずは買い出しです。ガスと食糧が必要になります。おすすめはスーパーマーケットとホームセンターが合体したような「ヤクデン」です。宮之浦港から徒歩圏内にあり、十分な食糧とガス缶を調達することができます。



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準備が出来たらタクシーを呼んで白谷雲水峡まで行きます。距離的に近いのと、田舎なので2,800円という比較的廉価で乗ることが出来ました。この時点で17時00分くらいで、すこし薄暗くなっていきています。

白谷雲水峡登山口では水も汲めます。



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もののけ姫のワンシーンのような美しい渓谷美が有名な白谷雲水峡ですが、沢登りしている人ならわりと普通の景観です。しかし巨岩多めで面白いです。



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猿がケンカをしていました。ヤクシマザルですね。

「ニンゲンハカエレ…!」



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さて今日の宿である白谷山荘ですが、見た目は完全に公衆トイレですし、建物の中もトイレの匂いがします。暗いし、じめじめしてるし、なかなか一人で泊まりたくないところです。実際泊まったのは僕一人だけでした。しかもここでこの旅最大のアクシデントが発生しました。

ヘ電(ヘッドライト)の電池が今にも切れそうだったのです!!

僕は、予備電池あるし…と思ってガサゴソやりましたが…

予備電池を忘れていたのです!

痛恨のミスです。かのスーパークライマー山野井泰史さんはグラム単位の装備軽量化をしていますが、ヘッドランプの予備電池は必ず持っていくと本で読んだことがあります。それくらい明かりは山では重量なのです…。「これからどうすっかな…」と思いながら1日目の夜は更けていきました。



ルート詳細:DAY2(曇り)

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ヘッドランプがあまり使えないので、森の中が明るくなった6時40分ごろ出発です。

すでに白谷雲水峡からハイカーたちが上がってきています。おずおずと小屋から出てくるのが恥ずかしい…。



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太鼓岩の分岐です。このあたりを歩いていても十分なサイズの杉の巨木と苔の世界に驚かされ、本州中部山岳との違いがよくわかります。



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太鼓岩から見た宮之浦岳。左は翁岳。

太鼓岩は岩のある面を叩くと太鼓のような音がでるから太鼓岩なんだということを、隣の登山者が言っていました。どこだかは分かりませんが…。



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太鼓岩からちょっと進むと「モロの岩屋」が現れます。

これは宮崎駿監督スタジオジブリ作品『もののけ姫』に出てくる山犬「モロ」が住みかとしてた岩屋のモデルです。確かに形はそっくりです。ただ『もののけ姫』劇中では山の山頂のような断崖の場所にありましたが…。



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またしばらく進むとトロッコ道です。



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ひたすら平坦なトロッコ道を進みます。これは自撮りです…。



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トロッコ道を終えて登っていくと大株歩道へ入り、翁杉やウィルソン株などのビッグネームがお出迎えです。



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ウィルソン株にてソーラーを充電。



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ウィルソン株内部には祠があり、水が流れています。いわゆるパワースポット感がすごい。

切り株内部のどこかからか上を見上げると穴がハート型に見える場所があるらしいですが、僕は気づきませんでした…。



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さらに登りは続き、巨大な杉が多く出迎えてくれます。

大王杉は樹齢3,000年の猛者。



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いよいよ世界遺産エリアへ入ります。というかここまでは世界遺産では無かったのか…?という感じです。



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夫婦杉。ここらへんの杉はもう怪物クラスの杉たちです。どいつもこいつも樹齢数千年です。



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触れる巨木。高尾山あたりでは神木クラスの巨木もここでは雑魚キャラ扱いですね…。



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さらに登っていよいよ縄文杉です。

この縄文杉、発見当初は樹齢が7,000年とも言われていましたが、実際は合体木であり、一番古い部分で樹齢2,700年くらいだそうで。

ちなみに単体の木としては「大王杉」が一番長生きのようです。(翁杉が倒れる前は翁杉だったそうです)



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やがてすぐに高塚小屋に着きますが、さらに進みます。



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二日目の宿、新高塚小屋に到着。

学生の頃来たときははもっと綺麗な印象でしたが、屋久島の多雨多湿の環境に曝されてすっかり苔だらけです。



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ヘッドランプが使えないので窓際の明かりが貴重です…。



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夕飯はペンネアラビアータ。



ルート詳細:DAY3(雨)

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この日は悪天のため、停滞しました。行くかどうか迷いましたが、雨風がやむ気配は無く、せっかくなら晴れを狙いたかったので、のんびり過ごしました。

結構たくさんのパーティがやってきましたが、コミュ障な僕は誰ひとりとも会話らしい会話をしていません…。ひとりでずっと座敷わらしの如く隅っこでシュラフに入ってました(笑)。

筋トレしたり、記録ノートを書いたりして時が経つのを待つだけ…。それもまた楽しいものです。



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停滞日の夕飯はたらこソースペンネ。90秒サラダパスタは山にはもってこい。



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停滞日の夜、星が良く見えました。これで明日の晴れを確信。



ルート詳細:DAY4(晴れ)

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とうとう晴れました。

森林限界からの御来光を狙いましたが、間に合わず、それでも樹林から見える太陽は真っ赤に森を照らし、幻想的でした。



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屋久島とは言え、11月は冷えます。



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森林限界を超えて飛び込んでくるこの圧倒的な風景…。

正面に最高峰、宮之浦岳、左にウサギの耳のような翁岳が見えます。



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巨岩が点在してます。展望は最高。最高としか言いようが無いです。



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雲を纏う永田岳。



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いよいよ宮之浦岳への登りに入ります。



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エビの尻尾。これくらい冷え込むので、11月の屋久島、十分な防寒が必要ですね。



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宮之浦岳山頂からの永田岳。



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海の先に種子島が見えました。



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翁岳方面です。



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ヤクシカがいるのがわかるでしょうか。



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花之江河近くです。屋久島は植生が本当に面白いです。



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花之江河まで降りました。ここは泥炭層湿原となっています。ここから2時間ほど下れば淀川登山口です。ここから紀元杉前まで歩き、路線バスに乗車し、安房に下りました。



余談:あやうく帰れなくなるところだった

16時くらいに安房に付き、港へ行き、サクッと明日の高速船トッピ―のチケットを買いに行きました。

ところがどっこい、明日の7時が満席…。実はそれに乗らないと帰りの鹿児島発の飛行機に乗れなかったので、さあ大変…。

今まで事前に確認したときは平日にトッピ―が予約いっぱいになるなんて無かったので完全に油断していました…。しかも明日の夕方には東京で用事があったのです。窮地に陥りました。

とりあえず、飛行機!と思ってネットで調べると…17時15分のが空いてるっぽい!しかし!今すでに16時20分!タクシーも見当たらない!!ここはどこだ?!ヤバい!!!

タクシーはおろか人がいません。一人だけ歩いていたおっさんを捕まえて「タクシーってどこで呼べますか?」と聞いてみました。するとなんと、そのおっさんがタクシーを即呼んでくれて(関係者だったっぽい)、そのまますぐにタクシー現れて空港にGO。

「あなたが神か」

こんな僥倖あるでしょうか…。

搭乗20分前くらいに空港に滑り込みセーフ。かなり焦りました。

このあと鹿児島空港についてから鹿児島中央駅に移動し、一泊、また朝イチで鹿児島空港へ行き、予定通りの飛行機に乗ることが出来ました。まさに奇跡でした。



総括

今回の旅で、「屋久島の森の本当のスゴさは日本の他のエリアの山林をある程度歩かないとわからないのではないか」と思いました。出来れば百名山クラスを20~30座くらい登ってから来ることをオススメします。

僕は実は学生の頃(2007年)に新高塚小屋までは登っているのですが、当時まだ超がつくほどの初心者だった僕は今ほど屋久島の森に驚かなかった気がします。日本の他の山に関する知見が無さすぎたせいです。

僕もその後色々な山で日本の山の素晴らしさに触れて、「屋久島っぽい」山も多く見てきましたが、今こうして本物を再び見てしまうと、「屋久島っぽい」山と本物とでは全然違うなと痛感するのです。

まず苔の量が、密度が違うように思います。北八ヶ岳なども苔が多いですが、屋久島のほうが断然濃い気がします。

また、樹木の植生も面白く、山の麓タクシーであがると、林道の脇はシダが多く、「熱帯」っぽさがありますが、上に登るにつれ、高山帯に変わっていきます。

そしてやはり杉の木です。白谷小屋を過ぎてから大木が多く、本州の山々では「中ボス」級の木がゴロゴロしています。大株歩道に入ってからは、間違いなく他の本州の山では「ラスボス」級の木が無名の杉として点在しているのには驚きます。高尾山の神木や、美女平の立山杉などのレベルがその辺に生えているのです。

この森、島そのもののスゴさがわからないのに縄文杉ばかりありがたがるのはどうなのかな…?と昨今の屋久島ブームに疑問を感じざるを得ません。

宮之浦岳をはじめ、島そのものが山塊であるがゆえに織りなす景観の素晴らしさは言うまでもありません。周囲が海に囲まれいる山頂は非常に不思議な気分にさせてくれます。

北海道の利尻岳も周囲が海であり、島全体が山ですが、どっしりとした山々が連なっているのは屋久島ならではです。本当に面白い場所です。

せっかくなので、屋久島を登山で訪れる際には、じっくり時間をかけて、比較的雨の少ない晩秋を狙うのがおすすめです。



おわり
2018年10月18日

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