2013年末に北岳登頂記。1年越しのリベンジ登山。
山は逃げないがチャンスは逃げる。チャンスを逃がさないためには自分自身が山から逃げないことだ。
(予備日1日)
男3人冬物語…。
往路:JR甲府駅まで電車移動、甲府駅にてステーションビバーク(駅寝)、甲府駅からタクシーで夜叉神ゲートまで(タクシー代:約¥7,800)
復路:奈良田から路線バスで身延線、甲府駅へ。
DAY2:04時00分 起床→06時00分 出発→09時29分 ボーコン沢の頭→11時00分 八本歯のコルあたり→11時47分 分岐→12時29分 北岳山頂→13時38分 八本歯のコル→14時53分 ボーコン沢の頭→16時50分 池山小屋(幕営)
DAY3:04時00分 起床→13時00分 奈良田
年末の甲府駅で駅寝をキメた社会人の我々であったが、JJはさらに朝マッツ(朝飯で松屋に行くこと)をキメ、気合十分。そして僕ことジョアは朝のトイレでケツから鮮血が出て痔気味になってしまった!しかし、そんなことはお構いなしに登山は始まるのだ。
タクシーで夜叉神登山口の駐車場へ向かう。たくさん車があったが、ほとんどは鳳凰三山だろう。
我々はさらに夜叉神トンネルを目指す。
白峰三山が良く見える。これからあそこまでいくのだ。
左岸林道は日当たりが悪く、雪も多く寒い。
ここが鷲ノ住(わしのす)山への道だ。ちゃんと「アルキ沢橋へ」と書いてある。実は昨年も北岳は敗退しているのだが、行きのアプローチで奈良田から林道歩きをしてしまった。これは非常に精神的につかれるので、今回はタクシー代を惜しまずに夜叉神アプローチにした。
鷲ノ住山を降りて、谷の吊り橋を渡り、右岸へ。
こっちの林道は日当たりが良い。
また林道を歩く。
アルキ沢橋登山口から入山。これより池山吊尾根を目指す。トレースと赤テープがありルートは明瞭だった。秋に偵察に行った時の方が落ち葉でルートは不明瞭だった。
池山小屋にて幕営。小屋内はすでに先客がいらしたので、外でテント張り。小便の痕跡が酷かった。
この日は終始JJの下ネタも酷かった…。
今回は前年の敗退の教訓を踏まえ、池山小屋をアタックキャンプとして軽量で速攻でサミットプッシュをすることにした。前年はボーコン沢の頭手前くらいにテントを張ったが、幕営地としてはあまり良くなく、そこまで行く必要があるのか疑問だったからだ。ならば最終キャンプは池山小屋に作って、ライト&ファストでサクッと山頂にアタックをしかけたほうが得策である。
赤く染まる木々。2013年最後の日の出。
ここは砂払あたりだろうか。森林限界を超えると、そこはガスの世界だった。いまいち天気が良くない。
9時29分 ボーコン沢の頭。本来は北岳バットレスが一望できるところだが…。テント泊しやすそうだが、冬は風がありNGだと思う。
ボーコン沢の頭からは小刻みなアップダウンで北岳への距離を詰めていく。
八本歯のコル方面。ガスが濃く、雪が舞う。
八本歯のコル。今回の核心部だ。
八本歯のコル。12月末の雪はまだこの程度で、梯子や鎖も出ており、ステップも手がかりもある。夏の岩場登降スキルと、アイゼンワークの十分経験があれば通行は可能と思われるが、やはりハラハラする。
しかしこれ以上雪がついて岩や鎖が埋もれ、雪壁となったときは難易度はグンと上がり、ロープは必須だろう。
大樺沢コースからの合流。もうすぐ北岳山頂。そのとき、風によって雲が飛ばされていった…。
思わず神の存在を思わせてしまうほどの、絶景が姿を現した。神様いるね。ありがとう。
風が強いが、素晴らしい光景。アイゼンを軋ませ、ピッケルを握る手に力が入る。
雪煙があがる山頂へ挑む。サガルマータ感がすごい。やや雪のついた岩の斜面を登ったら頂上だ。
雲の上に出る。
日本第二位の山頂へ至る。
間ノ岳。なんと大きいことか。
下山中、振り返って北岳を望む。
八本歯のコル。快晴のなか、余裕の下山。
ひきつづき八本歯のコル。
ボーコン沢の頭。感慨深い景色である。
池山小屋のベースキャンプに戻り、餅入りのおしるこを食べながらラジオで紅白歌合戦を聴き、大晦日の夜を迎えた。紅白は最初だけ聴き、寝てしまったが…。
あるき沢橋の登山口から、林道を奈良田方面に向かう。
ひたすらトンネル。
12~13km歩く。凍結があると大変つらいので注意。
最後の開運隧道を突破。ザック背負って登るのは何気に核心部。
ちなみに…奈良田の女帝の湯は元日はやっていなかった。白根館という旅館は日帰り入浴はやっているにもかかわらず、登山者とわかるや否やまさかのお断りされた…。本当にクソ。
奈良田では農鳥小屋のオヤジさんが家族と犬の散歩をしていた。こちらで「あれ?農鳥の親父さんじゃないか」と言っていたら家族の方が気づいて「ほらお父さん、話しているよ?」と親父さんに言ってたのに親父さんシャイなのかスルー(笑)。
↑↑まとめ動画↑↑
山は逃げないがチャンスは逃げる。チャンスを逃がさないためには自分自身が山から逃げないことだ。
登山日程
2013年12月29日(前夜泊)~12月30日(山中泊)~12月31日(山中泊)~2014年1月1日(下山日)(予備日1日)
メンバー
JJ、まーくー、ジョア(僕)男3人冬物語…。
登山口までのアプローチ
今回は夜叉神ゲートから野呂川を越えて池山吊尾根から入山するルート。
往路:JR甲府駅まで電車移動、甲府駅にてステーションビバーク(駅寝)、甲府駅からタクシーで夜叉神ゲートまで(タクシー代:約¥7,800)
復路:奈良田から路線バスで身延線、甲府駅へ。
登山形態
テント泊登山。定着型山頂ピストン。ルート
DAY1:07時00分 夜叉神ゲート 07時15分発→08時55分 鷲ノ住山入り口→10時30分 反対側の林道→11時20分 あるき沢橋→15時15分池山小屋(幕営)DAY2:04時00分 起床→06時00分 出発→09時29分 ボーコン沢の頭→11時00分 八本歯のコルあたり→11時47分 分岐→12時29分 北岳山頂→13時38分 八本歯のコル→14時53分 ボーコン沢の頭→16時50分 池山小屋(幕営)
DAY3:04時00分 起床→13時00分 奈良田
水場情報
無し。池山小屋で雪を溶かそう。立ちションの痕跡に注意。装備
冬山装備一式。ピッケル、ストック、ワカン(使わなかった)。赤旗竿は前回持ってきたが今回は無し…(もしもを考えたらあったほうがよい)ルート詳細 DAY1(晴れ)
年末の甲府駅で駅寝をキメた社会人の我々であったが、JJはさらに朝マッツ(朝飯で松屋に行くこと)をキメ、気合十分。そして僕ことジョアは朝のトイレでケツから鮮血が出て痔気味になってしまった!しかし、そんなことはお構いなしに登山は始まるのだ。
タクシーで夜叉神登山口の駐車場へ向かう。たくさん車があったが、ほとんどは鳳凰三山だろう。
我々はさらに夜叉神トンネルを目指す。
白峰三山が良く見える。これからあそこまでいくのだ。
左岸林道は日当たりが悪く、雪も多く寒い。
ここが鷲ノ住(わしのす)山への道だ。ちゃんと「アルキ沢橋へ」と書いてある。実は昨年も北岳は敗退しているのだが、行きのアプローチで奈良田から林道歩きをしてしまった。これは非常に精神的につかれるので、今回はタクシー代を惜しまずに夜叉神アプローチにした。
鷲ノ住山を降りて、谷の吊り橋を渡り、右岸へ。
こっちの林道は日当たりが良い。
また林道を歩く。
アルキ沢橋登山口から入山。これより池山吊尾根を目指す。トレースと赤テープがありルートは明瞭だった。秋に偵察に行った時の方が落ち葉でルートは不明瞭だった。
池山小屋にて幕営。小屋内はすでに先客がいらしたので、外でテント張り。小便の痕跡が酷かった。
この日は終始JJの下ネタも酷かった…。
ルート詳細 DAY2 (晴れときどき曇り)
今回は前年の敗退の教訓を踏まえ、池山小屋をアタックキャンプとして軽量で速攻でサミットプッシュをすることにした。前年はボーコン沢の頭手前くらいにテントを張ったが、幕営地としてはあまり良くなく、そこまで行く必要があるのか疑問だったからだ。ならば最終キャンプは池山小屋に作って、ライト&ファストでサクッと山頂にアタックをしかけたほうが得策である。
赤く染まる木々。2013年最後の日の出。
ここは砂払あたりだろうか。森林限界を超えると、そこはガスの世界だった。いまいち天気が良くない。
9時29分 ボーコン沢の頭。本来は北岳バットレスが一望できるところだが…。テント泊しやすそうだが、冬は風がありNGだと思う。
ボーコン沢の頭からは小刻みなアップダウンで北岳への距離を詰めていく。
八本歯のコル方面。ガスが濃く、雪が舞う。
八本歯のコル。今回の核心部だ。
八本歯のコル。12月末の雪はまだこの程度で、梯子や鎖も出ており、ステップも手がかりもある。夏の岩場登降スキルと、アイゼンワークの十分経験があれば通行は可能と思われるが、やはりハラハラする。
しかしこれ以上雪がついて岩や鎖が埋もれ、雪壁となったときは難易度はグンと上がり、ロープは必須だろう。
大樺沢コースからの合流。もうすぐ北岳山頂。そのとき、風によって雲が飛ばされていった…。
思わず神の存在を思わせてしまうほどの、絶景が姿を現した。神様いるね。ありがとう。
風が強いが、素晴らしい光景。アイゼンを軋ませ、ピッケルを握る手に力が入る。
雪煙があがる山頂へ挑む。サガルマータ感がすごい。やや雪のついた岩の斜面を登ったら頂上だ。
雲の上に出る。
日本第二位の山頂へ至る。
間ノ岳。なんと大きいことか。
下山中、振り返って北岳を望む。
八本歯のコル。快晴のなか、余裕の下山。
ひきつづき八本歯のコル。
ボーコン沢の頭。感慨深い景色である。
池山小屋のベースキャンプに戻り、餅入りのおしるこを食べながらラジオで紅白歌合戦を聴き、大晦日の夜を迎えた。紅白は最初だけ聴き、寝てしまったが…。
ルート詳細 DAY3 (晴れときどき雪)
あるき沢橋の登山口から、林道を奈良田方面に向かう。
ひたすらトンネル。
12~13km歩く。凍結があると大変つらいので注意。
最後の開運隧道を突破。ザック背負って登るのは何気に核心部。
ちなみに…奈良田の女帝の湯は元日はやっていなかった。白根館という旅館は日帰り入浴はやっているにもかかわらず、登山者とわかるや否やまさかのお断りされた…。本当にクソ。
奈良田では農鳥小屋のオヤジさんが家族と犬の散歩をしていた。こちらで「あれ?農鳥の親父さんじゃないか」と言っていたら家族の方が気づいて「ほらお父さん、話しているよ?」と親父さんに言ってたのに親父さんシャイなのかスルー(笑)。
家族サービスに徹する親父さんだった(笑)。
総括
前年(2012年)も挑戦し、悪天敗退した北岳。翌年の今回は無事登頂できた。よく山は逃げないと言うけれど、チャンスは逃げていく。チャンスを逃がさないようにするためには自分自身が山から逃げないことだ。
このときは再チャレンジの機会を得るまで1年空いてしまったが、本当は同シーズンの間にチャンスを作れたかもしれなかった。どうしても「冬の北岳」というものに強烈なプレッシャーを感じ、即座にリベンジするというモチベーションを作れなかったのは事実だ。しかしそれは単なる「逃げ」かもしれなかった。それでも、一年越しで結果として再チャレンジして良かったと思う。
一年ぶり二回目の挑戦ということで、前回の反省を行かし、アプローチを奈良田から夜叉神へ変更。序盤での林道歩きを少なくして消耗を最小限にした。
また、ベースキャンプ位置を前回の砂払の下あたりから、池山小屋まで下げた。これによりアルパインスタイルでの速攻登山として、体力の消耗を最小限にしたアタックスタイルときた。
無雪期の偵察も含めて、池山吊尾根からの北岳は3回目にしての登頂であり、感無量であった。ここまで来ると次は冬の白峰三山縦走と行きたいところだが、そうとなるとテント泊装備で八本歯のコルを越えなければならない。しかし、それはなかなか難易度が高いことであることを今回実感した。われわれのような凡庸な登山者にはこれくらいが良いのだろうなと思った。
しかし、この翌年末年始の塩見岳敗退により、結局僕はいよいよ山から逃げ始めてしまう…というのはまた別のお話。
おわり
2019年5月1日
2019年5月1日
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