登山中の行動食や、トレイルランの主食などで活躍しそうなバータイプの栄養補助食品を実際に食べ比べてみた。栄養や食感など主観的ではあるが、それぞれレビューしてみた。



「バー」タイプ栄養補助食品食べ比べ

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コンビニや薬局(ドラッグストア)で手に入る「バー」型の栄養補助食品の数は年々増えている。ひと昔前、僕にとってこういう栄養補助食品はあまり身近ではなかったが、今やその多様性を見ると、その効果はバカに出来ないものあることを知りつつある。

特にこの類の食品は登山での栄養、カロリー補給にもってこいなのだ。僕は学生の頃から山ではなるべく自炊や、普通のお菓子(チョコや煎餅)などの自然な食事を心がけてきたが、最近は合理性(スピード、栄養価、重量など)を重視するようになった。そうして行きついたのがこの栄養補助食品群である。

今回実際に山の中で実食し、いくつか感想と評価を書いてみようと思う(なかにはインドアで食べたものもあるが…)。

バータイプ栄養補助食品の代表格である「カロリーメイト」はあえて外しているが、これは僕があのパサパサした食感があまり好きではないからだ。約二週間の縦走中にずっと昼飯として食べていたことがあったが、粉状になるし、口は乾くし、良い思い出は無い。ただし栄養価、カロリーはかなり良いとは思っている。


ソイジョイシリーズ

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まずは大塚製薬の「SOYJOY ソイジョイ」シリーズから攻めてみよう。これもカロリーメイトについで有名なバータイプの栄養補助食品だ。ソイジョイを山で食べる利点はカロリー補給、糖質補給、タンパク質補給であろう。特に他のバーと比べてタンパク質が高めで、行動終盤や終了後に摂取することで筋肉の疲労回復を高めることが期待できる。ようはプロテインだ。

ソイジョイには従来のノーマルは食べたことがあったが、「クリスピー」なるシリーズがあったので試しに買ってみた。従来の生地に大豆パフを練りこんでサクサクとした粒感がある。この粒感、カリカリが気になって運動中の乾いた口にはあまり馴染まなかった。あと、粒がボロボロしやすいから歩きながら食べているとボロッとこぼしやすい。

この「クリスピー」カロリーは120kcal前後、タンパク質は6g前後で、カロリーはノーマルと同等だが、たんぱく質はノーマルよりも全体的に1~2gほど高くなっている。これは大豆パフを入れているからだと思われる。食感を気にしなければカロリー補給兼、プロテインとして一日の終盤で摂取してみる価値はありそうだ。値段は普通のソイジョイと同じで、ドラッグストアならば100円前後で購入できる。もちろんプロテインのみに特化したバー製品もあり、そういうのはタンパク質が10g~15g入っていたりする。しかし値段は160円~200円前後であり、それと比べるとリーズナブルだ。


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こちらはノーマルのソイジョイだ。オススメはピーナッツ。カロリー144kcal、タンパク質6.2gとノーマルソイジョイのなかでは一番登山向きだ。食感もしっとりで食べやすくて美味しい。



1本満足バーシリーズ

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お次はアサヒグループ食品の「1本満足バー」である。

今のCMがどんなものかは知らないが、ちょっと昔にオンエアしていたCMは、草なぎ剛がサラリーマンに扮し、夕方になると「ま、ま、まんぞく!一本まんぞく!」と言いながら踊りだす奇怪なものだった。それを覚えている人も多いだろうから知名度はありそうな製品である。しかしそのCMのせいで、この製品があくまで「サラリーマンやOLの小腹満たし」のためのものというイメージが染みついてしまったのは僕だけではないはずだ。

実際に改めて栄養価を見るとこれがなかなか山で使えそうで良いのだ。

まず、カロリーは200kcal前後と結構高め。おにぎり一個分以上ある。タンパク質こそ3g前後とあまり多くないが、ビタミンB1、B2が配合されている。ビタミンB1は糖質の代謝を助ける作用があり、登山中の糖質をエネルギーに変換しやすくする。ビタミンB2は脂質の代謝を助ける作用があり、これも運動時に体脂肪をエネルギーに変換しやすくするため、登山では嬉しい効果だ。


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食感については、シリアルタイプは結構硬めであるが、チョコ系なので口はパサつかず、美味しくいただける。ただし夏場は溶けると思われるので登山などの屋外運動ではオススメ出来ない。その点、タルトタイプはしっとりした食感でありながら溶ける心配は無い。気温が高いときはタルトだろう。どれも美味しいが、個人的にはチーズタルトが好きだ。

また、一本満足バーにはタンパク質15gほどが入ったプロテインシリーズがあるが、こちらはお値段がやや高めの設定になっている。シリアル、タルトがだいたい100円前後なのに対して、それよりも60円~70円くらい高い市場価格となっている。プロテインシリーズはシリアルのようにチョコでコーティングされたハードタイプであり、夏場は溶けると思われるので屋外行動中に持ち歩くのには適さないだろう。



スローバー

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ブルボンの「スローバー」というものも食べてみた。こちらは山ではなくインドアで試食。

カロリーは190kcal前後とまずまず優秀、タンパク質はあまりないが、ビタミンB郡も良しである。そしてこのスローバー、名前の通りゆっくり吸収される糖質(パラチノース®)というものが使われているらしく、急激な血糖値上昇を抑え、まさに行動食としては最適な吸収をしてくれそうなのだ。

あと、価格も安く、薬局では一本78円ほどで売られていたのでコスパが良い。流通量があまり多くない印象だが、一部の登山用品店でも取扱い実績ある。

食感がしっとりはしているものの、ややパサパサ感が否めない。特にココナッツはココナッツ繊維のせいか、ココナッツクッキーなみのパサパサ感であった。



バータイプ栄養補助食品まとめ

個人的な結論としては、カロリーは1本満足バー(タルト)でかせぎ、合間合間でソイジョイを食べるのが良いと思っている。スローバーもコスパが良いが、ドラッグストア1店舗でしか見なかったので、手に入り難さがネックだ。これらと合わせて柿の種などで塩分も補給していけば、あまり飽きずに登山中のカロリーと栄養を補給できるのではないかと思う。

登山中のパフォーマンスを高めるには、適切なタイミングでの適切なカロリー摂取が大事だ。特に即効性のあるエネルギー源である「糖質」は登山においてはハンガーノックを防ぎ、身体を動かすための即戦力となる。

僕はあまり食べなくても登山ができてしまうタイプだったが、これでは「カタボリック」と言って、体内のエネルギー(糖類や脂質)を代謝せずに筋肉中のアミノ酸をエネルギーにしてしまう状態を生み出してしまうことに最近気付いた。筋肉が減ると結局はパフォーマンスの低下につながるので、そうなる前に身体に糖などの燃料を投入しておく必要があるのだ。

また、一日の登山では程度にもよるが1000~2000kcal消費することはざらであり、常に燃料(カロリー)を投入してちょうど良いくらいなのだ。体脂肪が十分ある人でも消費カロリーの半分ないし三分の二程度は摂取しておかないとハンガーノック(低血糖によるエネルギー不足)になる危険性がある。ちなみに、糖を代謝したうえで、残りの足りないエネルギーは体脂肪から消費されるのでご安心を。しかし、脂肪は効率の悪いエネルギー源なので優先的には使われない。太っている人は絶対に脂肪を頼りにしてはいけない。

てなわけで、バータイプの栄養補助食品って登山で結構使えるのでは?と思った次第なのである。





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おわり
2019年5月11日

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