オピネル童貞を拗らせた僕はなんと肥後守に手を出してしまったのでレビューとか。
肥後守はいいぞ!



「ナイフは登山では必要ない」そう思っていた時期が僕にもありました…。

こないだナイフは登山ではいらないんじゃね?というような記事を更新したばかりだが、気付いたら和式折り畳みナイフである「肥後守」を買ってしまった…。言ってることとやってることが違うって?まあ、僕はそういう男なのだ。

何故買ってしまったかというと…そこにはオピネルの存在がある。前の記事でも書いたが僕はオピネルを持っていない。オピネル童貞なのだ。



オピネル童貞へのコンプレックス

オピネルといえば、登山やアウトドアを始める人間にとって、最初の一本のナイフとして不動の人気を持つフランスのナイフだ。フォールディングナイフとして定番中の定番のオピネル。特に登山用品店にはほぼ100%置いてあるオピネル…!

しかし!僕は買う機会を逃して早10数年。

買わなかった理由は単純で、人と被るのが嫌でビクトリノックスのナイフにしてしまったのだ…。マルチツールではなくてブレード大小がついてるだけのモデルである。うん、これは若気の至りとしか言いようがない。実にひねくれている。

そうしてオピネルを知らずに山を趣味として育ってしまった僕が、ブログの中でナイフについて論じてしまった…。これは素人童貞が風俗の断片的な経験を元に得意顔で女を語るが如き愚行。もうこうなったらオピネルを手に入れるしかないのか。

しかし…オピネル童貞を拗らせ過ぎてしまった僕のプライドは、もはや今さらオピネルを入手することを許さなかった。




和製オピネルとは?

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とりあえずブログに書くためにオピネルを調べるうちに、「フランスの肥後守」や、「和製オピネル」という言葉を見るようになった。肥後守…聞いたことがあるが、詳しくは知らなかった。これが肥後守との出会いだった。

肥後守とは日本の兵庫県で作られる和製折り畳みナイフの総称である。昔は何軒か製造所があったらしいが、今は永尾かね駒製作所というところが唯一無二の肥後守を登録商標として売り出している。永尾かね駒製作所は現在五代目、百年以上の歴史を持つ老舗だ。

鉛筆削りが無い時代、子供たちは筆箱の中に肥後守を入れて、それで鉛筆を削っていたらしい。今のカッターナイフの代わりのようなものだった。

肥後守を知ってしまったら僕の考えはシンプルだった。「オピネルを持たないなら和製オピネルこと肥後守を持てばいいじゃない」



肥後守はオピネルと似て非なるものだった!

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「登録商標肥後守定かね駒」の刻印が最高にクール。柄に穴があるので細引きなどを通せる。

だが調べているうちに「肥後守はオピネルと全然違うじゃねえか」ということがわかってきた。

まずは刃である。オピネルはステンレスかカーボン(炭素鋼)であるが、肥後守は日本の鋼で、完全なステンレス刃は無い。あと柄もオピネルは木製で握りやすいが、肥後守は鉄や真鍮でずいぶん薄い。また、オピネルは刃のロック機構があるが肥後守は無いので使い方間違えると危ない。

全然ちゃうやん。

同じところは折り畳みナイフであるというところだけやん。オピネルのほうがいいやん(笑)。しかもフランスにはオピネルより安価なDOUK DOUKという折り畳みナイフがあって、こっちのほうが断然フランスの肥後守やん。

しかし、僕はひねくれている。僕はそういう男である。この肥後守の少し使いにくそうな、手作り感があるところが実に良いではないか。メイドインジャパン、伝統の日本刃物万歳である。しかもフランスのナイフ雑誌で肥後守が特集されて海外でも人気らしい。なにそれ、かっこいいじゃない。

てなわけで購入。



肥後守の刃のグレード(ランク)

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購入にあたって刃のグレード(ランク)を選ばねばならない。基本的に全鋼、割込(SK鋼)、青紙割込、3種類である。他にも装飾があるものや白紙割込、青紙鍛造、多層鋼青紙鍛造なんてものがあるが、まあ高い。

ちなみに「割込」とは柔らかい鉄で硬い鋼を中心に挟み込んだ構造。

ここでざっくり適当に肥後守の刃についてまとめてみる。
  • 全鋼・・・割込構造じゃない。安い。たぶん切れない。
  • SK鋼・・・日本製炭素鋼。安価な包丁やドリルに使われる。
  • 青紙・・・日本製セミステンレス。切れ味良い。良いやつは高価。
  • 白紙・・・日本製炭素鋼。高価。日本刀に近いらしい。切れ味良い。
結論から言うと、買うべきは「青紙割込」である。Amazon価格で1,785円。全鋼やSK鋼は数百円くらいなのでそこと比べるとやや高いが、他のナイフと比べりゃかなり安い部類。

ちなみにサイズも、豆、中、大、特大とあるので選ぼう。携帯に便利なのは中サイズ。




肥後守はいいぞ

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箱もかっこいい。書道の墨っぽい。

この肥後守、一本一本手作りなのである。したがって出来不出来に多少ばらつきがあり、つまり、アタリハズレがあるのだ。



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刃の背から見たところ。背の尾のところが「チキリ」ここを親指で押さえて使わないと刃戻って危険。

ハズレのものは刃のチキリにバリがついていり、刃と柄のカシメがきつかったり、緩かったり…らしい。

しかしそんな不具合も無く、僕の肥後守はアタリだったようだ。



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「中」サイズのサイズ感。小刀感がかっこいい。

気になる切れ味である。Amazonレビューだと「研ぐべき」とか書いてあるが、それは全鋼やSK鋼の話だろう。青紙割込なら研がなくても十分な切れ味だ。刃の切れ味を見るのによく親指の爪に刃を噛ませるが、こいつはグッと食い込む。紙を切っても切り口はとても綺麗。もちろん変態クラスの切れ味を求めるなら研いだほうがいい。

使用上の注意として、チキリをしっかり親指で押さえて握らないと危ない。おさえていないと何かの反動で刃が畳まれて指に斬撃を食らわしてくるのだ。

話を冒頭に戻そう。「山でナイフはいらねえ」とか言いながらも、やっぱりナイフは良いもので、これ一本あればサバイバル力が何倍にもなった気になるから不思議だ…。実際に役に立つし…。

うん、てなわけで僕は山にナイフ持っていくよ(笑)。もちろん非常用として。職質上等だコラァ(笑)。



おわり
2019年7月20日

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