ベースレイヤーとは登山ウェアのレイヤリング(重ね着)で最も下に来るもの、平たく言えば「下着」つまりアンダーウェアとも言う。化繊、メリノウール等、僕が所有、愛用しているもののレビューなどを書いてみたいと思う。


mont-bell(モンベル)ジオライン M.W.(ミドルウェイト)ハイネックシャツ

IMG_0513
これを買ったのは確か2008年くらいなので、もう10年近く経っている。それでもたまに着たくなる逸品だ。ジオラインのシリーズも2019年現在バリバリ続いている。

ジオラインの特性の中で僕が良いと思うのは大きく三つで保温性吸湿速乾性抗菌防臭性だ。仕組みなど、テクノロジーについての詳細はモンベル公式サイトを見てほしい。

この1着を一言で表すとオールマイティ。保温性については、秋のアルプス、冬の2000m級、春のアルプス3シーズンこなしてしまう。速乾性も優れているので春秋など日中の気温差が大きい時期にも対応可能。

でも僕が一番気に入っているのは防臭機能なのだ。まるでメリノウールのように臭くならない。しかも通勤ランでたっぷり汗をかいてもいつの間にか乾く速乾性があるのでとても快適なのだ。

ジオラインミドルウェイトは冬のデイリーユースにも最適な代物だが、これはジップネックのため、合わせられる服を選ぶ。汎用性があるなはやはりクルーネック(丸首)だな…。



ジオラインEXP.(エクスペディション厚手)

IMG_0514
ジオラインシリーズは生地の厚み順にL.W.(ライトウェイト)、M.W.(ミドルウェイト)、そしてEXP.(エクスペディション)と三段階ある。

このエクスペディションが最も生地が厚く、保温性が高いものになる。これを買ったのは2010年あたりだと思うので結構長く着ている。

なんだかんだで僕の冬の定番の1着である。こいつを着るのは発汗量多めの冬山および残雪期登山。本当は後述のアイスブレーカーとの使い分けで買ったが、こっちのほうが保温性で劣るものの、速乾性が良いため、下半身のタイツはメリノウールでも上半身はこのジオラインにしているのがほとんど。ミドルウェイトと同じく冬場のオールマイティなやつだ。



ジオラインの決定的弱点

IMG_0519
あえてデメリットを書くと伝線して破れやすいのだ。

保温性を持たせるためデッドエアを蓄える特性上、生地が二層構造になっているのも原因かもしれない。表面に引っ掻き傷が入るとビリビリとストッキングみたいに伝線してしまう。冬のアンダーウェアとして着ているエクスペディションもザック等の摩擦のみでほつれるくらいだ。



IMG_0518
実は沢登り用としてライトウェイトのタイツも持っているんだが、これはもうビリビリになってしまった。タイツを使うのなら絶対に剥き出しはダメ。

この生地の繊細さというか、脆弱さがなければ最高なのだが…。とは言え、上半身であれば藪漕ぎでもしない限りアンダーウェアにダメージが来ることはそうそう無いし、ウェア同士の摩擦でほつれるとは言え、着れなくなるほどではない。多少破れていてもどうせ中に着ているので人目には触れないのだ。



icebreaker (アイスブレーカー)260 ロングスリーブ クルー

FullSizeRender
ジオラインが僕の中で化学繊維のベースレイヤーの代表格ならば、やはり相対する天然繊維メリノウールだ。このアイスブレーカーも2010年頃購入のもの。

アイスブレーカーは信頼のニュージーランド産のエクストラファインメリノウールを使用していることで有名。メリノウールといえば保温性に優れるだけではなく、吸湿性や抗菌防臭性に優れている。



FullSizeRender
260というのは1平方メートルあたりのウールの重さ(グラム)を表しており、アイスブレーカーのなかでは一番厚いものになる。もはや薄手のセーターのようだ。

このアイスブレーカーの特徴はとにかく暖かい。でも化学繊維と比べると速乾性には劣る。これは特に分厚いので発汗量が多いアクティビティでは避けたいので出番が少なめだが、どうしても寒さが心配なときはメリノウールを選ぶ。年末年始のアルプスや、寒波が直撃しているときなどは、この分厚いアイスブレーカーに活躍してもらうのだ。

ただ、残念なことに丈が少し縮んでしまった。これは僕の管理が悪くて、無駄に洗濯を繰り返したうえに、普通の洗剤で洗っていたことが原因だろう。メリノウールはそもそも臭くならないので、そんなに神経質にならなくていい。それと厚手のものほど縮みやすいのかもしれない。




タイツ(レギンス)は基本的にメリノウール推し
下半身(ボトムス)のレイヤリングはなかなか悩ましいが、僕はベースはメリノウールのタイツが鉄板。上半身と比べて下半身は発汗が少ないのでメリノウールの温度調節機能がちょうど良くはたらいてくれる。

持っているのは2枚で、これまたアイスブレーカーの260と、Smartwool(スマートウール)の中厚タイプ(多分150g/㎡)だ。



FullSizeRender
アイスブレーカーの260シリーズのこのタイツは、冬の雪山ではほぼレギュラーで使用する。この上にファイントラックのフロウラップパンツかヘリテイジのハードシェルパンツ(GORE-TEX)を履いて、下半身のレイヤリングが完結することが多い。

 



FullSizeRender
こちらはスマートウールの150中厚タイツ。アイスブレーカー260と比べると結構ヘナッとしている。これは主に秋くらいに夏用トレッキングパンツの下に調整で履く。もしくは短パン山行の予備防寒である。温かいが暑すぎず、季節の変わり目には重宝する。



寒い時期のベースレイヤーまとめ

10年くらいこれらを使い続けて、なんとなくわかってきたことは、運動量の多い歩行メインの登山ならば、上半身は化繊下半身はメリノウールが良いのではないか、ということだ。

発汗の多い上半身は化繊にし、比較的汗をかかない下半身はメリノウールにする。化繊ならばジオラインが最高だと思うが、いかんせん破れやすいので注意。下半身、とくに足回りやお尻はぶつけやすいので、機能面だけでなく耐久面から見てもジオラインよりメリノウールがいいだろう。

もちろん上半身もメリノウールにしても良いんだけど、どうしても汗の乾きが遅いのが気になる。しかし最近はメリノウールと化繊を半々くらいで混ぜて、運動量が多いアクティビティに対応した製品も出ている。


smartwool(スマートウール) M's メリノスポーツ150ティー SW62075 ミディアムグレーヘザー M









Amazonには半袖しか見当たらないが、今季から長袖も出ている


このスマートウールのメリノスポーツというシリーズはメリノウールの吸湿、保温、防臭に加え、化繊のストレッチや速乾性を持たせており、まさに化学繊維と天然繊細のいいところ取りなのだ。

僕はまだ試してはいないが、もし良さそうなら、上半身のベースレイヤーの定番になるかもしれない。



おわり
2019年12月3日

いつもご愛読ありがとうございます!このブログを応援して下さる方は↓クリックお願いします!
にほんブログ村 アウトドアブログ 登山へ
にほんブログ村

登山・キャンプランキング