※この記事はアンバサダーとして製品提供を受けた記事です。金銭報酬記事ではありません。
※製品提供は受けたなかで本当に山で使えるものだけを取り上げています。



圧倒的コスパシェルを、登山とトレイルランの視点から徹底的に見る

ワークマンのフィールドコアシリーズエアシェルジャケット」、実は山用のウインドシェルとしてかなり優秀なのでは?と思っているので、ファーストインプレッションを書いてみる。


お値段は2,900円(税込)と相変わらずの圧倒的な安さである。他社アウトドアメーカーの類似品だと、この価格の3倍は下らない…。

カラー展開はレッド、グリーン、ブラック、オレンジで、僕はオレンジをチョイス。いずれも彩度が低めで良い色だ。レッドとオレンジは山での視認性が良いので緊急時を想定するならこの二色がよいかも。

早速細部のチェックとランニングで使用した印象をご紹介してみる。



各部の形状が登山に適しているかチェック

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まずは全体を見ていく。シルエットはまさにアウトドアメーカー水準のもの。

サイズ感はかなり細身。僕はそれでも大きめで作られているんでしょ?と思っていたが、いや、これはかなり細い。身長175㎝、体重58gの僕でMサイズがジャストフィット。

ポケットの位置は旧モデルの胸ポケット×1からサイドポケット×2に変更。胸ポケットのみのほうが軽量ではあるが、サイドポケットのほうが使い勝手は良い(後述)。



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生地はウレタン透湿コーティングされており、よく水を弾く。



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レインウェアということもあり、縫い目にシームテープが貼られている。でも僕個人的にはシームテープはいらないんじゃないかと思っている。これを取っ払って少しでも軽量化したほうがいい

このエアシェルジャケット、耐水圧2,000mmと激しい雨向きではないため、登山においては雨具とは呼び難い。登山用ならば最低でも耐水圧10,000mm以上は欲しいところ。なので端から雨具としてではなく、軽量ウインドシェルとして使うとしたら、このシーム処理はなくてもいいのだ。

透湿も3,000gとあまり高く無いのでベンチレーションが欲しいところ。



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首回り。襟の立ち上がりも高すぎず、低すぎずで丁度良い。

フードの口はドローコードで簡単に閉じられる。

ジッパーの裏には止水フラップがしっかり付いており、雨具として雨水の侵入を物理的に防ぐ構造となっている。これもアウトドアメーカー水準。



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フード形状も頭にフィットし、風でバタついたり隙間ができることはなさそう。フード後部に調節機構は無いが、襟のドローコードだけでも十分。ただ、ヘルメットを被るのは無理だろう。



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袖口は最近のアウトドアメーカー軽量シェルと同様、ゴムのみ。キツめのゴムなのでしっかり閉じてくれる。



重さと携行性をチェック

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一番気になる重量はMサイズで163g。100gを切っていれば超軽量を謳えるレベルだが、これでも十分軽い。僕が他に持っているゴアウインドストッパーのシェルで200gなので、それと比べるとかなり軽量コンパクト。



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左ポケットを裏返してポケッタブルに収納が可能。かなり余裕があるので、畳まなくても無造作に押し込むだけで入ってしまう。



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ためしにモンベルのバーサライトジャケット用のスタッフバッグに入れてみると、普通に収納できた。



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ラッシュ5Rの背面スリーブポケットになんのストレスもなく詰め込むことができた。今使っているゴアウインドストッパーシェルだとかなりキツいので、このコンパクトさはありがたい。

ザックの小さなポケットにもコンパクトに収納できて、必要な時にサッと取り出せるのはきわめて重要。雨蓋なんかにも突っ込んでおけば、いざというときすぐに着れる。



ザックを背負って9kmランニングで使用

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早速使ってみた。とは言っても登山ではなく、ランニングである。ザックを背負っての9km通勤ランなので、ちょいとした山での使用を擬似再現できると思う。

レイヤリングとしては、モンベルのジオラインミドルウェイトをベースに着て、そのうえに羽織った。ザックはパーゴワークスのラッシュ20。ポケットがサイドにあるため、トレランザックのハーネスに干渉しにくいのも気に入った。胸ポケットだったらザックのチェストベルトを外さないとアクセスできないだろう。

まず着るときに思ったのは、ファスナーが上げにくいということ。フラップが長すぎるのかフニャフニャして、グッと上げようとするとファスナーが噛んでしまう。ファスナー自体はYKKなのでそれで破損することは無さそうだが、いちいち形を正してからファスナーを上げるのはストレスかもしれない。これはちょっと残念。

袖を通してみると、内側はツルッとしているので、ベースレイヤーとの滑りも良く、突っ張り感はない。

走り出してみると、やっぱりこれは良いなという感じ。風を十分防いでくれる。気温は2度。風は弱い日だったが河川敷なので時折冷たい風は吹く。それでもゴアウインドストッパーシェルと同程度の働きをしてくれている気がした。

蒸れについて、透湿度の低さが懸念されたが、特別ビチョビチョするようなことは無かった。冬は外気の方が乾燥しているため、透湿はスムーズだし、こんなものだろうという感じ。夏は肌にひっついてペタペタになるとは思うが、まあどのメーカーも同じようなものだろう。



改良して欲しいところ

値段を考えれば非常に完成度が高い製品といえるが、まだ改良して欲しいところはいくつかある。

まずはシームテープの廃止による軽量化である。サイドのポケットも便利ではあるが、無くして軽量化を優先してみてもいいかもしれない。かわりにスタッフバッグを付属させて欲しい。

あとはハードな運動や夏季となると、蒸れが懸念事項なので、ベンチレーションの設置は必要だと思う。ファスナーでつけると重くなるので、メッシュの窓のようなものを腋の下や背中などに配置してあれば最高だ。

撥水性も耐久撥水加工にするなど、強力な加工にしてもらえるとなお良い。



無雪期で万能に使えるシェル!沢登りでも…?

改良要望はあるものの、現行でも十分使える製品であることは確かだ。

僕個人としては、これはレインウェアではなく、ウインドシェルとして使うことをオススメする。はじめから雨の中での耐用性には期待していないので、あえて雨の中でのテストはしないし、使うつもりも無い。

ただ、雨具を着るほどでもないけど、何か羽織りたいときに、とても重宝するウェアになるだろう。特に無雪期、長期の縦走ではなくスピーディな登山日帰りハイキング、寒い時期のトレイルランニングには最適だと思う。

長袖シャツだと嵩張るし、フリースやダウンは暑すぎるというとき、サッと着られるのが良い。雨具でもいいが、雨具は大抵高価なので、なかなかハードには扱えない。もし木の枝にでも引っ掛けたら格好落ち込む。

また、沢登り用でのジャケットにもいいかもしれない。ワークマンの格安ナイロンヤッケを使用している沢ヤさんは多いと思うが、それよりも撥水性が良いし、オシャレだ。

エアシェルジャケットは、言うまでもなくとても安い。それ故に、気兼ねなく使える。結局のところ、こういうガシガシ使えるウェアの方が色々な局面で頼りになるのだ。登山開始の肌寒いとき、稜線で風が吹き出したとき、そして少しの雨なら防げる防水透湿性。もはや、よほど降られない限り雨具の出番は無いかもしれない。




おわり
2019年12月10日

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