モーラナイフ・エルドリス は登山のナイフ問題を解決する万能ナイフかもしれない…と妄想してみる。
しかし、緊急事態に陥る可能性があるのが山である。ハイキングだろうがトレランだろうが山に入る以上、人間の素手では手に負えない状況に直面するかもしれない。そういうときのために道具を備えるのだ。


登山でナイフは必要か?
登山で使用するナイフの在り方について、僕はここ最近悩んできた。なぜなら、純粋にハイキングをしたり、トレイルランニングをするだけなら、本来ナイフの出番は無いと言っても過言ではないからだ。
しかし、緊急事態に陥る可能性があるのが山である。ハイキングだろうがトレランだろうが山に入る以上、人間の素手では手に負えない状況に直面するかもしれない。そういうときのために道具を備えるのだ。
かの名作格闘漫画『グラップラー刃牙』で愚地独歩氏は「空手は四肢を刃に変える」というが、まあ普通の人には無理なので拳以外に刃が必要だ。卑怯とは言うまい。
これ以上僕のような素人がナイフについて語るとナイフ警察の方々が登場しそうだけど、あまり気にせず続けさせてもらう。
登山では緊急時にタフに使えるナイフが欲しい
登山で使えるナイフの条件は何だろうかと考えてみる。前にもブログに書いたが、登山中一番ナイフを使うのはおそらく自炊のときである。それ以外にナイフをつかうときがあるとしたら遭難したときだろう。
正直、自炊用のナイフはどんなナイフでもいいと思っている。ある程度刃が長くて薄いナイフならば使いやすいと思う。しかしそういったナイフは往々にしてサバイバル用途では使いにくい。非常時にはナイフで木などを切って薪をつくらねばならない。自炊用のフォールディングナイフ程度だとこの力作業には向いてない。だから万が一遭難してしまったときに備え、頼りになるナイフを別で一本持っていたい。
サバイバル用途でナイフを使うなら本当は山刀や鉈のようなものが望ましいだろう…。だが普通の登山にそんな物騒なものは持っていけないし、何より重くて嵩張る。手の平サイズで鉈のように使えるナイフがあれば…。そしてたどり着いたのがモーラナイフのエルドリスだった。
チビなのにタフなモーラナイフ・エルドリス
モーラナイフ・エルドリスは切れ味が良く、頑丈で、力を込めやすく、それでいて山に持っていくのでコンパクトだ。もちろん鉈とは比べものにならないが、そんじょそこらのフォールディングナイフ程度と比べたら格段に頑丈で力作業に向いていると思う。
スウェーデン鋼を使用したモーラナイフ自体は品質にとても定評のあるブランドである。かのサバイバル登山家の服部文祥氏も使っているらしいのでハードユースにも適しているのだろう。
ちなみに、エルドリスは「ネックナイフキット」という首からぶら下げられて、ファイヤースターターが付いているモデルもあるが、僕は単体のモデルにした。シース単体で十分カチッと刃をしまうことが出来るし、ファイヤースターターも別にいらない。これだけで2,000円高くなるのは解せない…。細引きは自分で取り付けた。
シースナイフならではのタフさと独特の形状

フォールディングナイフじゃなくてシースナイフなのが良い。頑丈さを考えたとき折りたたみ式は心許ない。フォールディングナイフは刃とハンドル部とが関節部分によって物理的に分断されているので、力を込めたら破損リスクがある。これでは危険なので思いっきり木をぶった切るような使い方が出来ない。

エルドリスはシースナイフなのでその心配は無く、力を込めやすい。さらに短い刃に不釣り合いなほどにずんぐりとしたハンドルはラバー製でグリップ感がめちゃくちゃしっかりしている。このハンドルのおかげで最低限の刃の長さでも力を込められる。
最低限の刃長、それを活かすハンドル設計の結果、コンパクトながらも非常にパワフルなナイフとなっている。これは登山にはぴったりだ。鉈や大きなナイフを持ち歩きたくないのであれば、このエルドリスを選ぶのが得策なのではないだろうか。重さも