軽量なウインドシェルはランニングアクティビティにおいて使い勝手がいいけど、「超軽量レインウェア」があればそれだけで十分事足りるのでは?



レインウェアを着て9km走って思ったこと

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ここ数ヶ月、仕事がある日はだいたい通勤ラン(行きだけ)をしている。「だいたい」である理由は雨の日は基本的に走らないからだ。この日(1月15日)は朝の早いうちは雨で、そこからやむ予報だった。雨雲レーダーも十数分のうちに雨雲は消えることを予想してたし、降水確率も6時から12時は20%だった。

それでも走り出しは少し降っているかと思い、雨具を着用することにした。モンベルのバーサライトジャケットだ。普段は防寒でワークマンのエアシェルジャケットを着用してスタートしている。なので実はバーサライトジャケットを着て走ったのは初めてだった。

前置きが長くなったが、雨の日にバーサライトジャケットを着て走ってみて、感じたことを率直に書こうと思う。



透湿性が高いウェアは蒸れにくい

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結局この日、最悪なことに天気予報は外れて雨は止むどころか降り続いて、やんだのは昼頃だった。雨の中バーサライトジャケットを着たまま、フードも被ったまま、約9kmをジョグで走った。(写真は翌日の晴れた日)

走っていて感じたことはバーサライトジャケットと、普段のエアシェルジャケットとの蒸れ感の違いである。体感だが、バーサライトジャケットのほうがかなり蒸れにくかった。これは当然と言えば当然で、なぜなら圧倒的に透湿性能に差があるからだ。エアシェルジャケットが3000g/㎡・24hなのに対して、バーサライトジャケットは43000g/㎡・24hなのだ。この差はダテじゃない。

透湿はウェア内の湿度が外の湿度よりも高くなったたときに起こる。外が乾燥して気温が低い冬は透湿が発揮されやすい。雨の日だとまともな比較にならないかと思い、翌日晴れた日に着てみたが、やはり明らかに違った。



ウインドシェルいらない問題

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ここで言いたいのはエアシェルジャケットの透湿性が低いからダメという話ではない。エアシェルジャケットは2,900円という低価格を考慮すれば十分な性能を持っていると思う。それに蒸れるといっても走らないで歩く登山ならほとんど気にならないレベルだ。そもそも蒸れるほど暑ければ脱げばいい話。

だが、雨が降ってきて、脱げない場合は蒸れにくくて、防水性の高いジャケットを着たい。つまり雨具、レインウェアを着る必要がある。

そこであらためて思うのは、やっぱりレインウェアを持っている場合はウインドシェルはいらないのではないか?ということだ。そもそもなぜウインドシェルが存在するのだろうか?



ウインドシェルの役割って?

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夏山登山ではレインウェアと防寒を兼用している人も多いかと思う。僕もそうだ。しかし重量のあるザックを背負い、レインウェアを頻繁に脱ぎ着していると生地が摩耗するし、紫外線や藪に晒されて痛むのも早い。GORE-TEXのレインウェアは高価なので、要するにもったいない。そういう理由で別途防寒着が必要になることもある。フリースなどでもいいが、使い勝手が良くて軽いウインドシェルも候補かもしれない。

話を登山からランニングに移してみる。

ランナーの間で使用されているウインドシェルというものは、超薄超軽量の防寒着であり、レインウェアではない。フリースやインサレーションジャケットでは嵩張るしそこまでの防寒は求めない、でも風に当たると寒いので何か薄くて羽織るものが欲しい…という需要から生まれたのだろう。レインウェアではないからフードの無いモデルも結構ある。

ランニングでの防寒着として、レインウェアだと嵩張りすぎるという点において、ウインドシェルは存在価値があると思う。何せポケットに突っ込んでおけるサイズなのだから。レインウェアは必携品ではないが、防寒着は必携のレースの場合、正にウインドシェルの出番だ。



日本の山ではレインウェアは必携

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だがランニングが長時間のトレランなどになり、スタイルが「登山」に寄って行った場合はどうだろうか。

海外など雨の少ない地域ならウインドシェルだけあればレインウェアはいらないという考え方もできるかもしれない。しかし雨の多い日本ではレインウェアは登山の必携品となっている。なので日本ではトレイルを走る人でもレインウェアを携行する人も多いだろう。その場合、ウインドシェルとレインウェアを両方携行する意味があるだろうか?

一昔前のレインウェアが複層構造で分厚くてゴワゴワしていたときならいざ知らず、今では超軽量のレインウェアというものがある。重量で130gほどのものもあるし、これは超軽量ウインドシェルに勝るとも劣らないレベル。本当に軽量化をしたいのなら、この超軽量レインウェアだけあればウインドシェルは不必要なのではなかろうか。



超軽量レインウェアはウインドシェルの上位互換か

レインウェアがウインドシェルと同レベルの軽さで嵩張らないとなると、雨を完全に防げる分、レインウェアがウインドシェルの上位互換となるのは自然な話だ。実際に登山ではレインウェアは万能シェルとして活躍する。メンブレンにゴアウインドストッパーを採用しているバーサライトジャケットは当然ながら防風性も申し分ない。

ウインドシェルのほうがよく通気するという意見もあるかもしれないが、そもそも通気させたいならウインドシェルだろうが、レインウェアだろうが前を開けるのが一番いい。それでも暑ければ脱いだほうがいい。

ウインドシェルだけに出来て超軽量レインウェアに出来ないことなんてほとんど無いのだ。



でもやっぱりもったいない?

ただやはり一点問題があって、レインウェアはシェルと比べて1.5倍くらいお値段が高いので、むやみやたらに着るのはもったいないという点だ(ウインドシェルも十分高価だが)。しかも超軽量モデルは生地が極薄なので簡単に裂けてしまうのでハードな登山には向いていない。しかも登山では荷物を背負っているだけで肩やら背中やらが摩耗してくる。

それらのデメリットと軽量化を天秤にかけてどう判断するかは個人の好みだろう。

ちなみに単に追加防寒着としてシェルを持っていくくらいならツェルトを持っていくのはいかがだろうか。ウインドシェルを着て、レインウェアをさらに着込むくらいの事態ならよほどのことかもしれない。だったらツェルトにくるまったほうがいいし、汎用性も高い。



おわり
2020年1月16日

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