Chikirinさんがブログで「迷惑な人イレブン」というタイトルの記事を書いており、読んだことある人も多いかと思う。あるあるだなーと感心したのだけど、これ、Twitterやネット登山界隈でもたまにいるなーと思った。





登山とインターネット(SNS)

登山とインターネットはあらためて相性がすごい。すごいと言うのは、良くもあり悪くもあるということ。写真とか体験とかを発信できるのはとても良いことなのだが、同時に沢山の文句も発信できてしまう。この文句こそがインターネットっぽさであるのだが、登山は特に文句をつけやすいジャンルだと思う。政治というジャンルに文句が付きやすいのと同様、登山というジャンルにも「正解」というものが無いのが要因だろう。登山はスポーツと言いつつ、サッカーのような競技性やルールも無いし、同じ登山といっても楽しみ方に多様性がありすぎるのだ。

そもそも登山で遭難が起こり、Yahoo!ニュースになるたびにコメント欄には登山に関係ない人まで登場するので、登山はよほど「文句を言えるコンテンツ」としての力が強いと見える。

日々ネットに親しむ登山者やTwitterとやってる登山者はヤフコメほどクオリティは低くないが、登山に物を申したい人は少なからずいる。各々の登山観を持っている場合が多く、情報に敏感で自論を展開しがち。もちろん僕も例外ではない。だからこんな記事を書いている。



コロナは登山界隈で文句を言いやすいコンテンツ

今年2020年上半期は新型コロナ騒動で世界的に不穏だった。「自粛ムード」という、「自粛」であるはずなのに、強制力を持つかのような同調圧力が日本を覆った。元々日本人は同調圧力をかざしたら世界一の国民なので、その暗雲は瞬く間にぶ厚く列島を覆った。(もちろんまだまだ新型コロナの脅威は去ってはいないが…。)

登山はネット上で「文句を言えるコンテンツ力」が強いので、もちろん新型コロナは格好の話題となった。正直新型コロナじゃなくても、何かとてつもないアホな遭難事例とかでもみんな話題にするわけだけど、新型コロナという社会的に話題性が強く、かつ遭難と違い特定の個人の被害が出ていないので、みんな話題にしやすいというのもあり、めちゃくちゃ流行った。

ここで、遭難ニュースがネットに流れたときにに出てくる人みたいな人が常時Twitterに現れてしまうようになった。へたすれば一時期、Twitterのタイムラインがヤフコメのような地獄になっていた人もいたのではないだろうか。ちなみに僕はある程度ヤバいなと思った時点で「コロナ」「自粛」というワードをミュートしてしまったので、実はよくわかっていない(笑)。

とは言え、それでもタイムライン少し漏れ出たものから辿って見るとインターネットの地獄の片鱗を見ることが出来る。

先日たまたまたとあるネットラジオでchikirinさんのブログの「迷惑な人イレブン」が言及され、あらためてよんでみると、思わず笑ってしまった。これこれ〜これ結構最近見たわ〜いう気持ち。ということで登山に当てはめて登山版としてみた。chikirinさんのブログでは11種に及んでいたが、登山に当てはまりそうな4種に限定した。



①正義感を振りかざして自尊心を満足させる人

これは典型的にヤフコメにいる人。「登山は危険だ!そんな危険なことをする奴は迷惑だ!遭難したら税金を使うんだぞ!救助する人にとっても迷惑だ!」っていう奴。「自分は関係ないのに反対する人」にも似ている。

ちきりんさん曰く「世の中の悪さをオレが正してやる」みたいな人であり、「影響力の大きい人がそんなこと言ってはいけない」などと言論統制をする人とのこと。

うーん、まさにヤフコメどころか、Twitterにもいるわ。文句を言うことが目的になって、文句を言うことに満足感を覚えて、それで終わりの人。ちきりんさんも言っているが、他者の発言等に文句があるなら自分のアタマでなにか代替案を考えて発信して欲しいものだ。



②自分向けではないモノをわざわざ見に行ったあげく「役に立たない」と怒る人

登山者って沢山色々な人がいて、年齢から、体力レベル、山域、登山形態まで様々なのだ。最近思ったのは、例えば山小屋やガイドが何かを発信しているとして、それは全登山者向けではないということ。全登山者のようになっているかもしれないが、違うこともある。

例えば山小屋。山小屋に宿泊するのは全登山者じゃない。使わない範囲で登山をしている人も沢山いるし、もちろん使っている人も沢山いる。山小屋のクラウドファンディングは山小屋とその客(支援者)との関係で成り立っている。山小屋を使ったことの無い人や、ほぼ利用しない人はわざわざクラファンの様子を見に行く必要はないし、全く何の発展にもならない。それなのにわざわざ「こんなものは意味がない」というネガティブな発言をしても、「いや、それ、お前には言ってないよ」という気持ちになる。



③有名人には何してもいいと、思っている人

これは多い。一般的にもネットに多いので、登山界隈にも多い。これは最近ネットの誹謗中傷問題としても話題になっている。最近話題になっているが、むかーしからあった問題だ。

程度は弱いが、Twitterで登山家や山小屋に噛み付いたりするのも本質は同じだろう。「強い者」に対して「弱い者」はどんなことを言ってもいいという風潮。たしかにとんでもないことを言う人もいるかもしれないが、そんなのは見なければいいのにと思う。Twitterではフォロワーが多いと一般人なのに有名人扱いになって叩かれがち。5ちゃんねるは誹謗中傷の巣窟となっている。「有名人」=「強い者」のだから叩いていいだろうという発想。

あとはこれまた遭難時。とんでもない遭難があると、「これは叩いていいやつだ」と勝手に正当化してしまうやつ。遭難者は本来「弱者」であるが、それが「登山のルールを守れていない」とわかるや否や「悪名高い者」になり、その途端に叩く。



④見知らぬ人に勝手に期待して、勝手に絶望する人

新型コロナで登山自粛を訴えていた人たちに対して、ネット民のなかにそういう論調を散見した。

特に山小屋を運営なさっている世界的クライマーの方、登山経歴や人柄に惹かれてファンは多いのだろうけど、登山自粛の論調が強くなったとき、そういう人たちの失望の声が聞こえた。あくまで個人的観測だが。

彼は輝かしい登攀経歴があるけど、今は経営者だし、勝手に「オレたちと同じ根っからの山ヤ」みたいに思われても困るだろう。目下大事なのは小屋の経営なわけで。知り合いでもないのに勝手に失望するのは違うよなぁ。

まあ見知らぬ誰かに失望された本人にとってはどうでもいいことだろうけど、世の中ではこういうことから実害に及ぶことも無きにしもあらず。憧れが強い分、勝手に失望したときの意味不明な「恨み」ってあると思う。アイドルの殺害予告とかまさにそれ。もちろんこれは極論だけど。



結局議論にならない

迷惑な人を一言でまとめると文句や批判ばかり言う人になってしまうんだけど、こういう人は何を結論に持っていきたいのかわからない。だから議論にならない。しかも感情が先行しているので知識がないまま、よく調べないで発信してしまう。余計に議論にならない。

ぶっちゃけ結論などないのだろう。最終的に言いたいことが解決策ではなく、文句や批判そのものなのだから。ほんと迷惑。



おわり
2020年6月22日

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