登山をやっていると、始発バスに乗るために駅で寝泊まりをすることがある。いわゆる「駅寝」またの名を「ステーションビバーク」なんて呼んだりもする。そんな駅寝エピソード集。


伊那市、人生初駅寝、ヤンキーに囲まれる

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画像出典:Wikipedia
僕の駅寝キャリアの始まりは2006年、大学一年生のとき、アウトドアサークルに入ったことがきっかけだった。初めての登山は木曽駒ヶ岳だった。企画のしおりには当然のように「伊那市駅にて駅寝」と書いているのだが、最初見たときは「???」であった。

実際駅に着いてみると伊那市駅はお目当ての待合室は封鎖されており、駅の外の便所脇にテントを張って寝ることになった。もはや駅寝じゃない。なんなんだこの展開は…と思いつつ、先輩に従うしかない一年生男子。結局僕の初の駅寝は駅の中ではなく、ただの野宿。しかも公衆便所の真横。

さらにショッキングな出来事は夜更けに起きた。眠れないままウトウトしていたら、ヤンキー風の声とゾロゾロという足音が聞こえてきた。明らかにこの公衆便所前の不審なテントに興味津々な様子が、薄ーい生地越しに伝わってくる。しまいにはテントを突かれたりしながら

「なんだこれ?中に人がいるんか?」と言ってテントにデカデカと書かれている大学名とサークル名を読まれる。

これは初の野宿にはなかなかハードな展開だ。やがて向こうも得体の知れないテントに気味が悪くなったのか、用事が済んだだけなのか、退散してくれたので事なきを得た。

翌日の木曽駒は12時間行動の末、色々あって敗退した…。



旭川駅、ホームレス認定される

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画像出典:Wikipedia


2007年大学2年の夏、大雪山を縦走するため僕は北海道を一人目指した。前乗りしている先輩とは旭川駅で合流することになっており、そこまでは18きっぷで一人旅だ。青春18きっぷで一人旅というやつをやってみたかったのである。

1日で本州を抜けることはできなかったので青森で駅寝しようとしたらなかなか駅寝できるような駅ではなく、静かで広い新青森へ移動して快適に駅寝。そして翌朝始発で青函トンネルを通り北海道へ上陸した。

そこから旭川まではさらに丸一日かかり、旭川に着く頃には夜遅い時間だった。このとき北海道の広さを思い知った。

目的の駅である旭川は駅がロックダウンされるシステムであり、駅の中で寝ることができなかった。北海道の駅はこの仕様が多い。仕方ないので軒先の自販機とかが置いてあるような隅っこでシュラフにくるまった。当時の旭川駅は上の写真のように綺麗で大きな駅舎ではなかった。

早朝、駅前のロータリーでヤンキー風の男が誰かに電話している声で目が覚める。真夏とはいえ北海道の朝の空気は冷たい。他に人影はなさそうだ。

「うん、今駅にいる。なんか、ホームレスいるんだけど!」

ホームレス?いるのか?僕の他に寝ている人が?……いない?え…僕??僕のこと??

その頃前乗りしていた先輩たちは同期の旭川のおばあちゃんちでご馳走を食べてぬくぬくと寝ていたそうだ。南無。



氷点下駅寝、厳冬の茅野駅

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画像出典:Wikipedia


2010年、大学4年の2月、茅野駅で駅寝を敢行した。当時冬山入門者だった僕が選んだのは北横岳。八ヶ岳に行くなら高速バスで中央道茅野まで行き、そこから茅野で駅寝をして始発バスに乗るのが最速かつ最安のルートだった。それは冬でも変わらない。

このとき実は縞枯山荘泊だったし、ロープウェイも使ったのでなにも始発のバスに乗る必要もなく、駅寝の必要もなかったのだが、いかんせん大学生という生き物は馬鹿である。馬鹿なので当然駅寝をした。

夏の茅野駅での駅寝は慣れっこだったが、冬は全く勝手が異なり、気温がマイナス6℃くらいまでは普通に下がる。この当時まだ厳冬期シュラフは持っていないが、この駅寝のためだけにシュラフやら防寒着をたんまり持参した。小屋泊なのに。



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そして可哀想なのは後輩だ。1人の後輩は化繊の気温15℃くらいまでしか対応していないペラペラのシュラフにこれまたペラッペラの銀マットだけを敷いて茅野駅構内の冷蔵庫のような床で寝るというではないか。僕は思わずあ、こいつ死んだなと思ったが、翌朝何とか生きていた。ずっとガチガチに震えていたらしい。

僕はマイナス6℃対応シュラフにエアマットと防寒着でなんとかなった。ちなみにその後輩はその後登頂した厳冬期北横岳山頂で何故か半袖Tシャツ一枚になっていた。
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まとめ

駅寝というものは本来アウトローな行為なので、やはり往々にして上手くいかないというか、快適に過ごせないこともある。まさにステーションでのビバーク(避難的野営)であるため、トラブルはつき物と考えた方が無難だ。

ここに紹介できなかったエピソードもあるが、それは正直言ってブログでは書けないレベルの失態などを含むものである。これから駅寝をする人は常に謙虚に、臨機応変に対応していくのがいいだろう。かつての駅寝おじさんからのお願いである。



おわり
2021年2月25日

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