ジェットボイルのスタッシュのように、ストーブとヒートエクスチェンジャー付きクッカーの組み合わせることで熱効率の良いソロクッキングシステムを完成させてみた。
まずクッカーの方から。中国が誇るアウトドア燃焼機器ブランド、ファイヤーメープルのPetrel(ペトレル)Ultralight pot 600ml 。このクッカーには「ヒートエクスチェンジャー」というストーブの炎の熱を効率よくクッカー内に伝えるためのヒダが底部に付いている。ジェットボイルでいうところのフラックスリングだ。
この手の高効率・低燃費クッカーは一酸化炭素が大量に出る場合があるため、屋内使用は厳禁。今回はあくまで撮影のために屋内でセットしている。
今までもこのような低燃費クッカーはあったが、容量が1リットル以上とソロモデルではなかった。ペトレルは「ウルトラライトポット」を謳うだけあって容量は600mlのソロ仕様で110サイズのOD缶ガスカートリッジがピッタリ入るし、ストーブとスタビライザーがスタッキング可能。そう、このサイズが欲しかったのだ。重量は160g。
蓋は透明樹脂素材、持ち手はシリコン製、湯切り穴がある。目盛はオンスとml表示あり。付属品はメッシュサック。
ちなみにペトレルとはミズナギドリという鳥類で一般的にウミツバメのことを指すらしい。
しかし、このペトレルの底部だが三本のスリットが放射線状に走っている。これはどういうことかというと、三本ゴトクストーブを使うことで安定し、かつ理想的な炎とクッカーの距離を作れるということなのだろう。
四本ゴトクのストーブだと使えないことはないが、スリットにゴトクがハマってしまうとクッカーが倒れるため、置く時に気をつけなければならない。このペトレルは三本ゴトクのストーブ専用と考えたほうがよさそうだ。
画像出典:https://firemaplegear.com
ならば専用のストーブとして何が相応しいか。それはやはり同じファイヤーメープルから出ている三本ゴトクモデルがよかろう。公式の画像を見るとどうやらHORNET IIというストーブを使っているようだ。直噴型だし底部と炎の適度な距離が生じるので確かに相性は抜群に良さそうだ。
しかし問題は日本では未承認のモデルであり、国内では手に入らないことだ。そんなときはAliexpress(アリエク)である。国内で検定に合格していないガス機器を国内業者は販売できないが、海外業者は関係ないし、購入する分には問題ない。ただし国内メーカーと異なり使用してもし何か起きても一切購入側の自己責任になるが…。
早速取り寄せて見るとなかなかスマートなモデルである。点火装置は無し。重量は約48g、ゴトクやヘッドはチタン製で軽量。ヘッドの形状はあの有名なBSR社の超小型ストーブようにトルネード状のスリットから炎が出るタイプ。付属品は専用プラケース。
燃焼音はなかなかの轟音。炎は単なる直噴というより直噴+拡散型という感じでBSRストーブと似ている。
そして特徴的なのはゴトクの開閉方式。折り畳み傘のように上にスライドし、ゴトクを開閉するような形。展開後にややガタつきがあるのがイマイチだが専用クッカーを使えば問題ないだろう。ちなみにホーネットとは蜂、特にスズメバチの意味らしい。
いよいよ二つを組み合わせてお湯を沸かしてみよう。チタン製の同じ径のクッカー(EPIのバックパッカーズクッカーS)と比較してどれくらい早くお湯が沸くのか試してみた。水は300ml、気温3℃の屋外でテスト。蓋は無し。沸騰の定義は「大きな気泡が水面をグラグラと揺らし始めたとき」とする。
まずはチタンのほうから。中央部に気泡が発生するのは早かったが、その後気泡が大きくなるのに時間がかかった。結果は3分57秒。
続いてペトレルとホーネットの組み合わせ。小さな気泡は中央ではなく周辺部から発生し始めたがチタンクッカーに比べると遅い。その後なかなか気泡が大きくならなかったがいきなり大きくなり沸騰。結果は2分30秒。1分半近く早いという優秀な結果となった。
208gの低燃費軽量クッキングシステム
ストーブとクッカー合わせて208g、それにガスカートリッジとスタビライザーを加えると重量はその分増えるが、同じようなシステムのジェットボイル「スタッシュ」のクッカーとストーブの重量200gとほぼ同等の重さを実現している。
それでいてかなり低燃費性能も良いので実用性は十分だと思う。ガスを使ったソロ〜2人くらいの山行で軽量化を図りたいときは最適だ。ただし日本未承認のストーブを使ったり一酸化炭素のリスクがあったりするので安易にマネすることはオススメできないが…。
おわり
2024年3月20日
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110サイズカートリッジが収まる高効率クッカー
まずクッカーの方から。中国が誇るアウトドア燃焼機器ブランド、ファイヤーメープルのPetrel(ペトレル)Ultralight pot 600ml 。このクッカーには「ヒートエクスチェンジャー」というストーブの炎の熱を効率よくクッカー内に伝えるためのヒダが底部に付いている。ジェットボイルでいうところのフラックスリングだ。
この手の高効率・低燃費クッカーは一酸化炭素が大量に出る場合があるため、屋内使用は厳禁。今回はあくまで撮影のために屋内でセットしている。
今までもこのような低燃費クッカーはあったが、容量が1リットル以上とソロモデルではなかった。ペトレルは「ウルトラライトポット」を謳うだけあって容量は600mlのソロ仕様で110サイズのOD缶ガスカートリッジがピッタリ入るし、ストーブとスタビライザーがスタッキング可能。そう、このサイズが欲しかったのだ。重量は160g。
蓋は透明樹脂素材、持ち手はシリコン製、湯切り穴がある。目盛はオンスとml表示あり。付属品はメッシュサック。
ちなみにペトレルとはミズナギドリという鳥類で一般的にウミツバメのことを指すらしい。
三本ゴトクストーブの使用を想定
しかし、このペトレルの底部だが三本のスリットが放射線状に走っている。これはどういうことかというと、三本ゴトクストーブを使うことで安定し、かつ理想的な炎とクッカーの距離を作れるということなのだろう。
四本ゴトクのストーブだと使えないことはないが、スリットにゴトクがハマってしまうとクッカーが倒れるため、置く時に気をつけなければならない。このペトレルは三本ゴトクのストーブ専用と考えたほうがよさそうだ。
専用ストーブHORNET IIを入手せよ
画像出典:https://firemaplegear.com
ならば専用のストーブとして何が相応しいか。それはやはり同じファイヤーメープルから出ている三本ゴトクモデルがよかろう。公式の画像を見るとどうやらHORNET IIというストーブを使っているようだ。直噴型だし底部と炎の適度な距離が生じるので確かに相性は抜群に良さそうだ。
しかし問題は日本では未承認のモデルであり、国内では手に入らないことだ。そんなときはAliexpress(アリエク)である。国内で検定に合格していないガス機器を国内業者は販売できないが、海外業者は関係ないし、購入する分には問題ない。ただし国内メーカーと異なり使用してもし何か起きても一切購入側の自己責任になるが…。
HORNET(ホーネット)IIの特徴
早速取り寄せて見るとなかなかスマートなモデルである。点火装置は無し。重量は約48g、ゴトクやヘッドはチタン製で軽量。ヘッドの形状はあの有名なBSR社の超小型ストーブようにトルネード状のスリットから炎が出るタイプ。付属品は専用プラケース。
燃焼音はなかなかの轟音。炎は単なる直噴というより直噴+拡散型という感じでBSRストーブと似ている。
そして特徴的なのはゴトクの開閉方式。折り畳み傘のように上にスライドし、ゴトクを開閉するような形。展開後にややガタつきがあるのがイマイチだが専用クッカーを使えば問題ないだろう。ちなみにホーネットとは蜂、特にスズメバチの意味らしい。
本当に早くお湯が沸くのか
いよいよ二つを組み合わせてお湯を沸かしてみよう。チタン製の同じ径のクッカー(EPIのバックパッカーズクッカーS)と比較してどれくらい早くお湯が沸くのか試してみた。水は300ml、気温3℃の屋外でテスト。蓋は無し。沸騰の定義は「大きな気泡が水面をグラグラと揺らし始めたとき」とする。
まずはチタンのほうから。中央部に気泡が発生するのは早かったが、その後気泡が大きくなるのに時間がかかった。結果は3分57秒。
続いてペトレルとホーネットの組み合わせ。小さな気泡は中央ではなく周辺部から発生し始めたがチタンクッカーに比べると遅い。その後なかなか気泡が大きくならなかったがいきなり大きくなり沸騰。結果は2分30秒。1分半近く早いという優秀な結果となった。
208gの低燃費軽量クッキングシステム
ストーブとクッカー合わせて208g、それにガスカートリッジとスタビライザーを加えると重量はその分増えるが、同じようなシステムのジェットボイル「スタッシュ」のクッカーとストーブの重量200gとほぼ同等の重さを実現している。
それでいてかなり低燃費性能も良いので実用性は十分だと思う。ガスを使ったソロ〜2人くらいの山行で軽量化を図りたいときは最適だ。ただし日本未承認のストーブを使ったり一酸化炭素のリスクがあったりするので安易にマネすることはオススメできないが…。
おわり
2024年3月20日
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