
ブラックダイヤモンドと言えばヘッドランプからプロ愛用の登攀具まで取り扱うブランド。そのマスプロメーカーが本格的なウルトラライトザックを発売した。現物は見ていないが、製品情報からインプレッションを書いてみる。
BD初のウルトラライトハイク系ザック

画像はロストアロー公式サイトhttps://www.lostarrow.co.jp/store/g/gBD56556001003/
から。
個人的にはブラックダイヤモンド(BD)のザックと言えばスピードシリーズなどの登攀向けが多いイメージのブランド。近年はトレラン用やスクランブリングなどのザックが目立ってきており、垂直方向の登攀における速く、軽くという考え方が水平方向にも展開しているのを感じる。そして満を辞してULハイクに適したザックが登場した。ベータライト30とベータライト45である。
最小重量521g(45L)、値段はヘビー
背面フレームパッド、2本のアルミステー、ヒップベルト、ストラップ類は取り外し可能で全部外すと521gと超軽量。外さなくても890g(ベータライト45)とかなり軽量。同社の40Lザックであるスピード40が1,140〜1,240gなのでおよそ半分の重量だ。ULザックの代名詞的なハイパーライトマウンテンギアのウィンドライダー40で823〜863gであることからも相当な軽量であることがわかる。その代償と言っては何だが、お値段は他のBDザックと比べるとだいぶ高い。スピード40で30,580円のところ、ベータライト45で59,620円である。ただしULザックの相場としては妥当なところなのだろう。
チャレンジセイルクロス社製帆布使用
ULザックのULたらしめているところは特殊な生地素材を使うところだ。「ULギアのメーカーは基本素材ありき」と日本におけるUL第一人者の勝俣隆さんもおっしゃっている(TRAILS 土屋智哉のMeet The Hikers! #2)。このベータライトにはチャレンジセイルクロス社のUltra200というアウトドア製品用の素材を使っているのが特徴。究極のテキスタイルを謳う同社の同製品は耐引き裂き、耐摩耗、耐紫外線、耐温度、防水などの性能があり、同重量であればこの世の他のどんな素材より優れているという。これは期待に胸が高まる。
生地の防水性を活かして作りもフルシームテープ処理済みなのでザックカバーいらずの完全防水ザックになっている。
トレランザック的ショルダーストラップ

BDはディスタンスシリーズなどトレイルランニングのベストスタイルのザックの実績があるが、そのトレラン譲りのショルダーポケット機構がベータライトにもある。ボトルやすぐ取り出したい小物が入るので追加でポーチなどを買う必要が無いと考えればお得。
自分でカスタマイズする余地が無いのがデメリットだが、そのままでも十分使い勝手は良さそうなポケットである。取り外し可能なヒップベルトのポケットも含めれば小物の収納力は高そうだ。
ULザックに背負いやすさを
多くのULザックは雨蓋であったり、ファスナー付きポケットなどを取り去って筒状のザック本体の背面にメッシュポケットなどを付けた形になっている。これは無駄を極力省いた結果である。だからこそどのメーカーも最先端の生地を使うことで優位性を出していくのだと思う。しかし細かな荷重バランスであったり、背負い心地はメーカーごとに違う。ベータライトは他の一般ザックのようにショルダースタビライザーがついており背中に吸いつくように背負うことができる。ULザックでスタビライザーが付いているザックは珍しい。背面もメッシュになっているので汗抜けも考慮している。こういった従来のザック作りのセオリーを守っているのはマスプロメーカーならではだろう。保守的ともとれるが、尖りすぎたULザックに抵抗がある人にも受け入れられるつくりだろう。
僕個人としての感想は、まずデザインがシンプルでとてもかっこいい。チャレンジセイルクロス社の生地も気になるし背負いやすそうなのに超軽量なのもいい。フィット感が良さそうなのでOMM、アドベンチャーレース的なものでも使えるんじゃないかと思う。実物を背負ってみたい今一番気になるザックだ。
おわり
2024年11月2日
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コメント
コメント一覧 (1)
ブラックダイヤモンドというブランドはロッククライマー向けのメーカーだったと考えられるので、危険を感じます。しかし、その分性能はいいのだと思います。登山用に手袋だけブラックダイヤモンドのを持っています。