どんどん増えるガスカートリッジ

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登山で使うOD缶ガスカートリッジ、皆さんはどれくらい余っていますか?私は多分500サイズ、250サイズ、110サイズ合わせて20個近くあるw

山に行くたびに新品じゃないと不安になるので買い足し続けたうえに、学生時代のバイト先の登山用品店で回収されてまだ中身があるものを貰ったり、前職がアウトドア業界だったのでこれまた余っているものや古い回収缶を貰ったりして明らかに使いきれない量のガス缶を抱え込んでしまったのだ。

さらに今はガスを使って山で調理することも稀なのでもっぱら家で餅を焼くかトーチでチーズを炙るか、庭などでキャンプごっこするときくらいしかガスカートリッジを使わないのである。当然全く減らない。防災用にしても多すぎるし、古いガスはなるべく早く使い切りたい。

せめてそれぞれ中途半端に残っているガスカートリッジをまとめてしまって半端缶を無くしたい。500缶とかデカくて邪魔なので全部110缶にしたい。それだけでも省スペースになるし、満タン缶のほうが使いやすい。

というわけで誰もがカートリッジからカートリッジへガスを移し替えたいと思うはず。これに関しては実際ネット上でも結構な人が実践しており、かなり今更感があるけどまだやったことの無い人のためにレポを書きます。そう、今回はガス移し替えアダプターのご紹介です!

ガスの再充填はメーカー禁止事項FullSizeRender

ガスを詰め替えるということ。それは同時に再充填であり、メーカーが禁止している事項でもある。なぜダメなのか?それは再充填したガスカートリッジを使用した際の安全性を担保できないからである。なぜ担保できないのか?それはカートリッジが定められたガス比率、充填量に合わせて設計されており、その新品の状態でのみ検査をしているからである。そして国(経済産業省)からこのような注意事項の表記を義務付けられている。メーカーも好き好んでカートリッジデザインを台無しにして文字で埋めているわけではない。

まあごもっともな理由だ。もともとブタン多めのガスカートリッジにプロパンを入れすぎると内圧が高くなりすぎて缶が耐えられなくなるかもしれないし。あと再充填することで弁がおかしくなってガスが漏れるようになるかもしれないし。とにかくやり方によっては色んなリスクがあって、そんな好き勝手やられて訴訟でもされたら大変なので予め禁止としている。しかしこれは半分建前で本音はこれをやられると自社のカートリッジが売れなくなるからだw

ようするに安全に充填すればよいのだ。ここで実際にやったやり方を紹介するがもちろん安全を保証するものではないし失敗しても責任は負わないことを断っておこうw

ガス詰め替え器具「マルチアダプター」IMG_0960

まず用意するのは中華製アウトドア用品でお馴染みのキャンピングムーンから出ている「マルチアダプター」



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一応日本語の説明書が付いているが、ガスボンベの表記が全部「ガスポンペ」になっているw

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一見するとガスストーブの器具栓のようだがよく見ると上下にガスカートリッジが取り付けられるようになっている。丁寧に赤いキャップまでついている。

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矢印がついているように、受け入れ側を「IN」、送り出し側を「OUT」にねじ込むわけだ。わかりやすい。

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このように接続する。この場合は中身が半端な230缶を使い勝手の良い110缶に移し替えている。ツマミを解放するとガスの移動が始まる。

ここで大事なのが上下のカートリッジに温度差を作ってやることだ。ガスは温度が高いと気化しやすく、低いと気化しにくい。下向きのカートリッジはガスが下に吹き出しやすくなっているが、もし上を向いているカートリッジのほうが温まっていたり、下向きのカートリッジが冷えてガスの噴出が弱くなったりするとガスの入れ替わりがうまく行われない。
説明書では送り側のカートリッジをお湯で5分〜10分湯煎しろとあるが、そこまでしなくてもいい。素手でさすって温めてあげるだけでいい。受け側のカートリッジは冬場は何もしなくても外気で冷える。夏場は逆に受け側のカートリッジを氷水を張ったボールに浸すなどして冷やした方がいいかもしれない。

途中圧力差が弱くなってガスが器具内に詰まったらツマミと反対にあるボタンを押すとガス抜きができるらしい。

できるだけ安全に移し替えを行うための注意事項

私も一応ガスカートリッジについては前職の職務上一般の人より詳しい自負はあるのでガスの移し替えなんて怖い!という人ができるだけ安全に出来るための注意事項をまとめた。なお完全な安全は保証しない。
  1. 屋外でやること。メーカー非公認アダプターであり、カートリッジを刺した途端にガス漏れが止まらなくなる可能性もある。またカートリッジが古い場合弁がバカになっていたり、接続相性の問題でアダプターを外してもガスが出っ放しになる可能性もある。ガスが漏れてもいいように広くて火の気のない屋外で詰め替え作業をやろう。
  2. プリムスのウルトラガスやイーピーアイのエクスペディションガスの中身をノーマルガスのガスカートリッジに充填しないこと。ウルトラガスやエクスペディションガスは内圧が高いプロパンガスの比率が高くなっており特別丈夫な構造のカートリッジを使用している。それをほとんどブタンガスしか入っていない通常構造のカートリッジに入れるのはよくない。直ちに破裂するなどということはないと思うが、夏場とかを考えると…。やるなら完全に自己責任である。私ならやらない。


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左がプリムスのウルトラガス。右がイーピーアイのエクスペディションガス。

実際に移し替えて再充填してみた!

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「送り側」になる半端なカートリッジ。Before 


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「受け側」になる残量少なめカートリッジ。Before 


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送り側、受け側にそれぞれカートリッジをセットしても特に音がなるわけでもなく静か。送り側は手でさすって温めた。受け側は雪があったので突っ込んで冷やしてみたけど冷やさなくても十分冷たかったw

数分放置してみて残量を計測してみる。本当に移し替えられたのか?

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「送り側」After。減っている!中身もほとんどない!


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「受け側」After 。増えている!しかもSOTOのトリプルミックスの110缶は新品で192gなので完全に満タンになっている!大成功です。素晴らしい。

結果としてとても安全かつスピーディーかつスムーズに移し替えが出来た。これで大量にあるガスをうまくまとめて使えそう。繰り返すがガスの詰め替え移し替え再充填は自己責任です!






おわり
2025年2月5日

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