この模倣品を買わないで欲しい
パーゴワークスの「スナップ」と「スイッチ」という売れ筋製品があるのだが、たまたまAmazonで丸パクリ製品を見つけてしまった。まず何を言っておきたいかというとこの記事に出てくる模倣品は買わないでほしい。検索もしないでほしい。買ってもカタチだけ真似た粗悪品だから後悔するはず。大手の高級品のちょっとしたジェネリック版ならまだしも、日本の中小のアイデア商品を中華企業がパクってる今回の件はかなり悪質に感じるので、この記事は注意喚起のための情報提供にあえて書きます。「スナップ」はザックのショルダーハーネスに取り付けるタイプの小物入れ。「スイッチ」はサコッシュとウエストポーチの中間のようなバッグ。パクリ製品の画像だけを見ると、それぞれ完全な模倣品であるのは明らか。これらはパーゴワークスの権利を侵害するものなのではないか?という疑問が出てくる。
パーゴワークス社の意匠登録はない!
特許庁データベースのJ-PlatPatによると、パーゴワークスは別製品の実用新案は取得しているものの、これらの製品に関連する特許権、意匠権は見当たらない。秘密意匠等でまだ未公表の可能性はあるが、発売から年数も経っているしその可能性は低い。もし登録がないということであれば、これは無念というか残念である。実はこうなるとパーゴワークス側がこのパクリ会社を訴えても勝つことは難しくなる。下手に訴えて負けてしまったら逆に損害賠償請求のリスクがある。厳しいようだが、知財の世界は権利を取った人だけが守られる。
ではどうすればよかったのか。それらを考えるためにそれぞれのパクリ製品を見てみたい。
「スナップ」完全模倣製品


完全にアウトである。しかしつくりについてはレビューをみると作りが甘い粗悪品のようだ。
特にファスナーのストッパー構造とショルダーハーネスへの固定部分など、本家のオリジナルのデザインがそっくりそのまま真似られている。しかし全体で見ると外側ポケットの大きさが異なるなどの違いがある。
全体で見て違いがあると全体の意匠を登録していたとしても争うのは難しくなる。この場合、ストッパー形状の部分と、ハーネスへの固定フラップの形状の部分の意匠だけで登録(部分意匠)しておけば丸パクリは防げるのでこのような形にはならなかったと思われる。
本家のストッパー形状についてはかなり独自性があると思っていて、仮に先行技術があってもサイズや位置関係で新規性を見出す可能性はあったと思う。ならば特許を取れる可能性もあったのではないか。弁理士への相談はあったのだろうか。
「スイッチ」完全模倣品


こちらが「スイッチ」の模倣品だがこれも完全アウトである。こちらもレビューを見ると本家より遥かに縫製や耐久性が粗悪品のようだ。
スイッチの意匠の肝である特製カラビナは微妙に違う形状だが役割は同じようだ。
そして写真のように本家と用途も全く同じ。ポケット類やループの位置も同じである。これは全体で意匠の登録をしておけばよかったのではないかと思ってしまう。
また、スイッチはサコッシュとウエストポーチになるということで、カラビナ部分と本体の取り付け角度などが絶妙なため、このあたりの角度やパーツの取り付け順番等の縫製方法で何か普通でない創意工夫があれば十分特許が取れる可能性もあったと思う。
意匠を登録してほしい
この件に関しては意匠権での侵害は問えないが、不正競争防止法から訴え勝つことはワンチャンあるかもしれない。不正競争防止法 第2条第1項3号によると、「他人の商品表示(形式)として需要者の間に広く認識されているものと同一または類似のものを使用し、混同を表示させる行為」しかし一般に広く知られたデザインである必要があるのでそれはアウトドア人のみならず皆知ってるか?という調査が入るのでそこが厳しい。なので、パーゴワークスさんは今実用新案で2件権利を持っているが、これからは是非意匠も登録して欲しいと思う。特に肝になるデザイン部分に関しては部分的な意匠が有効。部分意匠があるとそれ以外の意匠部分を変更されてもその肝の部分が今回のようにそっくりであれば侵害を問えるので、仮に真似されてもそっくりにはならないのだ。さらに意匠なら見た目だけで侵害を問えるので縫製が粗悪だったり素材や中身の作りが違っても侵害を問える。
ちなみに実用新案については審査がないため、いざ争っても効力がない場合があるのであまり意味がないと思う。とるなら特許のほうが権利の強さが約束されているので特許をとってほしい。
アウトドア業界は知財に疎い
これはパーゴワークスさんにかかわらず、登山用品やガレージブランドで仮に特許がとれなくてもデザインが重要であれば意匠を検討して欲しい。パーゴの一ファンとしてこのような丸パクリには腹が立つが、法的に掻い潜られているのがやるせない。総じてアウトドア業界の会社は知財に疎いように思うので、よく中華ブランドからパクられるのだ。よくパクられているガレージメーカーといえば山と道だが、その山と道ですら意匠登録件数は0件である。ちなみに私は別に知財の専門家ではないので全て個人の見解であり法的な正しさを保証する物ではありませんので悪しからず。
おわり
2025年10月12日
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