登山を始めたい、始めるという人へ。

まず一般的に、

  • いつ登るか
  • 誰と登るか
  • どこに登るか
  • どんな服装が良いか
  • どんな持ち物が要るか

ということが気になるところでしょうか。所謂「5W1H」的なやつです。

いつ登るか、どこに登るか、どんな服装か、どんな持ち物か…なんてのは登山のハウツー本やネットにも溢れていると思いますので割愛…。では、

誰と登るか


意外と触れられているのが「誰と登るか」だと思います。

本なんかには山岳会に入ろうとか、一緒に登る人が前提として書かれていることもあります。大学や高校から登山を始めた人はそういった「山仲間」が多くいるでしょうし、知人友人に「登山が好きな人」がいれば連れてってもらうこともできるでしょう。しかしそれは幸運と言えます。

そう…まわりに登山を一緒にする人がいない場合はどーすりゃいいんだ!ということになります。


今流行りの「単独行」


一昔前はよく「一人で山に登るのは危険」と言われました。今も言われます。親御さんや奥様に「一人で行ってくるぜ」なんて言ったら(あなたが愛されているなら)「一人なんて危ないから、やめたほうがいいんじゃない?」くらいは言われるはずです。

それはなぜかというと、もし万が一、一人で山に行って何か身動きが取れなくなるアクシデントが発生した場合、誰か同行者がいれば助けてもらえます。

では一人で登山をするのは危ないのか?というと全てがそう言い切れるものではありません。


近頃の山岳系雑誌ではこぞっと「単独行」や「お一人様テント泊」が特集されています。


まあでもこのような特集が増えているのは単独で登る人が増えていたり、単独で登る人の情報源が山岳系雑誌だったりするわけで、ようするにニーズを捉えた特集記事なわけです。簡単に言うと今の時代は「単独」をテーマにしたほうが売り上げ部数が延びる傾向があるのでしょう。

だいたい、山岳部出身の人や、親兄弟が山登ってました何て言う人は雑誌を情報源としなくても人に聞けばいくらでも情報を得られますよね。そういう人はアウトドア業界が黙ってても勝手に登りますから、新たな需要の創出にはならないわけです。

アウトドア業界的には“新規の”登山人口を増やして市場をもっともっと拡大したい思いがありますから、山岳系雑誌もこぞって“一人でも登れますよー”と言うわけです。

そうすれば山岳系雑誌も売れて、広告のせてるメーカーさんも製品が売れて万々歳…。とまあ何とも資本主義的な話になってしまいましたが…。


「単独で山に登るのは危ないが、気を付ければ良いよ。」


とアウトドア山岳業界は言ってるわけですね。だから本買って、良い装備買って安全にしてねー!というわけです。

でも一人で登るのが不安という人で周りに頼れる知り合いがいない人の中には、今のご時世山友達はSNSでいくらでも見つけられるのではないか…と考える人もいるかと思いますが、


SNSで知り合って登るのは気持ち悪い


と思います。個人的に。
単独だと不安だからってSNSなどで知り合った人と登るという行為。あまりおすすめしません。

いつだったか某SNSで知り合って雪洞を掘る企画をした人たちが遭難したというニュースがあったんですよ。初めて現場で顔を合わせてハンドルネームで呼び会う…。

ネットゲームならまだしも、実際の命を預けかねない山登りの現場においてそれをやるのは非常識です。

もちろん何度か顔を合わせて人となりを知ってから一緒に山へ行く、というのは問題ないと思います。簡単な山でもとんでもない遭難をすることもあるので、山以外の場で顔を合わせることは最低限必要だと思います。

そう言うわけではなく、ネットで何回かチャットやラインして一緒に山へ行くのはまさに烏合の衆です。責任なんて誰も持ってません。

とにかく、周りに一緒に山へ行けるような適当な人が居なかったら一人でもいいんです。絶景を独り占めできたり、自分のペースで歩けたり、黙々と思考を巡らせ己のみと向き合う時間はなかなか貴重で楽しいものです!


しかし、一人で行くからにはリスクは自分一人で背負っていると認識することが大前提です。


ではそのリスクとは?何を知っておくべきか?それはまた次回…。

2018年1月26日