「ハードシェルは防寒着ではない」という話を聞きまして、思うところを書きます。
登山をする際の防寒、レイヤリング(重ね着)について、僕の経験からすると、ハードシェルだって防寒着だと思うのです。
おわり
登山をする際の防寒、レイヤリング(重ね着)について、僕の経験からすると、ハードシェルだって防寒着だと思うのです。
登山用の防寒着には二種類ある
僕は、登山で着る防寒着は大きく分けて二種類あると思っています。
ひとつは、体温を逃がさないようにする「保温」のためのウェア。
もうひとつは、風にあたっても体温を奪われないようにする「防風」のためのウェア。
夏も冬も考え方は同じだと思います。
「保温」のウェアには、フリース、インサレーションジャケット(ダウンや化繊の中綿を封入したジャケット)などがあげられます。ミッドレイヤーとも言います。
これらは身体の周りに暖かい空気の層を作り、積極的に体温を保つはたらきがあるので、間違いなく「防寒着」と呼べるでしょう。仮にこれを「一次防寒」と呼ぶことにしましょう。
一方で「防風」のためのウェアがゴアテックスなどのレインウェアや、ハードシェルと呼ばれるものたちです。シャカシャカしてるような類いのウェアです。アウターとも言います。
山を昔からやってる人(山ヤさん)は「ヤッケ」とも言いますね。ヤッケとはjacke(ドイツ語)です。英語だとjacket(ジャケット)ですね。 登山用語はドイツ語由来が多いです。
話はそれましたが、ハードシェルの役割は風を防ぐことでハードシェルの内側の暖かい空気の層を吹き飛ばさないということと、汗で湿ったウェアを急激な汗冷えから守ることです。このハードシェルの類いをここでは「二次防寒」と呼びましょう。
「一次防寒」では不十分な風への対処を「二次防寒」で防ぐわけです。
積極的な保温性ウェアと積極的な防風性ウェアの組み合わせにより「防寒」は完成する
たとえば、僕の場合、気温はそんなに低くないけど風が強いときの行動着はハードシェル+吸汗速乾性シャツ。
また、日影などで気温が低いけど風が無いときの行動着はフリースなどのウェア+吸汗速乾性シャツ。
そして、寒い上に風が強いときに両方着る。
すごーくざっくり言いましたが、僕の場合は夏も冬もだいたいこんな感じです。
しかしながら、寒さの感じ方、汗のかき方は人それぞれですので、ほどよい重ね着の組み合わせを見つけましょう。
ハードシェルは確かに積極的な保温性はありませんが、風を防ぐということも立派な防寒着です。
フリースやダウンジャケットが攻めの防寒着ならばハードシェルは守りの防寒着でしょう。
というわけで、ハードシェルは防寒着なんじゃねーの?という話でした。
ハードシェルと雨具(レインウェア)との違い
ここまで読んだら、ハードシェルと雨具は何が違うのか…と思う方もいるかと思います。
ソフトじゃない(柔らかくない)外側に着るものは雨具だろうがハードシェルです。
しかし実際のところ、ハードシェルと言うと「雪山用のアウター」を指すことが多いですね。
雪山用のハードシェルはレインウェアと比べて生地が厚かったり、首もとが立ち上がっていたり、フードが大きかったりして、ゴワっとしてます。
雨具はコンパクトにスタッフサックに入れられますが、雪山用ハードシェルはそうはいかないです。
細かく言うと生地のこととか色々違いがありますが、ざっくり言うと雨具の強い奴です。(雑)
オススメ雪山用ハードシェル
ハードシェルはどのメーカーでも大差はありません。
選ぶ基準としては
- 防水透湿素材(ゴアテックスなど)か
- 表地が丈夫か(薄すぎないか)
- 重ね着可能なサイズ感
- スノースカート(雪がウエストの隙間からはいらなようにするもの)が付いてるか。これは無くても良いけど。
- フードのサイズはヘルメットが納まるか
などなど
正直どのメーカーでもいいと思うんですが、昔からオーソドックスな雪山用ハードシェルと言えばノースフェイス(THE NORTH FACE )が有名ですね。
ノースフェイスは沢山ジャケット類出してますけどオールマウンテンジャケットが一番元祖っぽいです。僕も最初これを買いました。
2018年2月16日
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