以前、「単独行論。」というタイトルの記事を書いたときに単独行のリスクについて羅列しました。
今回は単独の反対「パーティ(隊)登山」について考えてみます。

メリットとデメリットがあると思いますが、僕は複数で行くのも単独で行くのも両方好きです。それぞれの良さがあるんですよね…。


パーティ登山とは「役割分担」だ

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仕事でもなんでも、何かをチームで成し遂げるとき、役割分担がありますよね。分業システムです。これは目的の達成を効率的に行うことができることは知られていると思います。

登山も同じだと僕は思っています。

では登山の役割にはどういうものがあるのかと言うと、
多くの場合、役割分担として、

・CL(チーフリーダー)
・SL(サブリーダー)
・食糧担当
・装備担当
・医療担当

あたりがいると思います。これは各山岳部や山岳会などで呼び名や役割が違ってくるので曖昧な定義になりますが、まあだいたいこんな感じじゃないでしょうか。

チーフリーダーは計画全体の統率者です。彼は隊のメンバーに目を配らせなくてはなりません。

サブリーダーは、チーフリーダーをサポートします。チーフリーダーが一人では目が届かないところや、気づかなかったところを見ていきます。

食糧担当は食糧計画、献立等を任されている人です。食糧を担いだりもします。

装備担当は共同装備(テント、コッヘルなど)の管理を行います。ちゃんと使えるかを確認し、不備が無いようにします。

医療担当はエマージェンシーキットの管理、運用ですかね。出番が少ないかもしれませんが、重要な仕事です。


とまあ、すげー適当に役割を説明しましたが、まあなんだっていいんですね。たぶん知っている人が見たら怒られますが…。
とにかく、隊を組んで登るときは何かしら役割を持って、個人が目的を持って山に登るのが重要だと思うんです。ツアー旅行みたく添乗員さんにぼーっとしてついていくようではいけないと思うんです。


役割分担すると良いことがある


役割分担がどうメリットになるかというと、集団の中で個人が各役割に責任を持つことで、個人がその役割をちゃんと全うしようとするところがポイントです。

一人だと「どうせ一人だし、やらなくてもいっかぁー」何てことを考えたりしますが、集団でそういうことを考える人は普通いません。いたとしたはそれは隊を危険に晒す人物として、排除されます。社会も同じですね(^^)

しかし、逆に役割が無いとただと烏合の衆、ツアー旅行状態になってしまいます。皆が皆を頼り、ツアーガイドさん以外誰も責任を持とうとしない集団となってしまいます。そんな集団に何かアクシデントが起こったら、冷静に対処できなくなってしまいます。集団は崩れます。

ところが、隊のなかの個人ひとりひとりに役割が与えられており、その役割がどんなものなのかを理解し、滞りなく遂行することができれば、単独のときより隊の力は数倍になるでしょう。

逆に、単独だと数人分の役割を全て一人でこなさないといけません。大変です。


しかし、役割分担は諸刃の剣


しかし、役割分担が形だけ行われていると、結局烏合の衆になります。

いざ、何かあったときに、臨機応変に対応できないということです。

たとえば、医療担当なのに消耗品の補充を怠っていたり、装備担当はコッヘル(鍋)も担当領域なのに、食料担当と連携せずに適切な鍋を持ってこなかったり、共同で使用する飲料水を考えてなかったり…。ひどければ、リーダーじゃないからといってルートすら把握してないということも…。

おのおの、個人が当事者意識を持って、自分の役割が全体の隊の動きのなかのどこに位置して、どう流れていけば良いかという、流れを知ってなくてはいけません。

たとえば、映画で役を演じる役者さんが自分の分の台詞だけ読むってことは無いですよね。前後の相手役の台詞、物語の粗筋を把握しないといくら自分の台詞が頭に入っていても、気持ちの入った演技はできないと思います。

それと同じで、隊のなかのメンバーひとりひとりも自分の役がどこでどう動くのかを知るべきなのです。

そのためにはリーダーが映画監督のように、ちゃんと指示を出して脚本(計画)を伝える必要があります。

メンバーは自分ひとりひとりもリーダーになったつもりで、当事者意識を持って参加することが重要です。「俺は医療担当だから医療を持ってきた」だけではだめなのです。


パーティ登山とは「リスクの分散」でもある


役割と共にリスクも分散できます。これも大きなメリットです。

誰かが体調不良や怪我で動けなくなっても、皆でフォローすれば乗りきれる確率はあがるでしょう。

単独とパーティの一番の違いです。

ただし、さきほどの烏合の衆ではだめです。皆が基本的なセルフレスキューの知識を持っていて、的確に動けないと人数がたくさんいても意味がありません。

また、体調不良のリスクでなくても、道迷いのリスク、安全確保のリスクを分散できます。

これは体力的にももちろん、精神的にもだいぶ楽になります。

危険が伴う冬山や岩稜なら人数がいるほうが安心です。

しかし、そういった危険の判断が出来ない人同士で登っても逆にリスクが増すだけで不安材料が増えます。


パーティ登山のデメリット

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パーティ登山の問題点は、やはり「小回り」が聞かなくなることでしょう。

役割分担やらなんやらきっちりするのは良いことだと思いますが、やはり安全優先、皆の意見、体調などを考えていると、判断のスピードが遅れることもあります。

組織が大きくなると、会議、承認、会議、承認みたくなるアレです。人数の少ないベンチャー企業だと決断早いイメージありませんか?

簡単な山だったら一人のほうが手っ取り早いかも…と思ってしまいます。

また、さきほどから言ってる「烏合の衆」になりやすいということ自体がパーティ登山のデメリットと言えます。

パーティ登山は諸刃の剣なのです。
荷物を分担して、リスクも分散するつもりが、メンバーの存在自体がお荷物となり、リスクの元凶となってしまう可能性を孕んでいるのです。


僕が考える理想のパーティ(隊)登山


だから僕はパーティ登山をするときは3人~4人くらいがちょうどいいと個人的に思ってます。もちろんこれは個人的な数字なので、登山のスタイルや正確によって変わるでしょう。

僕が想定する理想のパーティについて言うと、僕の登山はほぼ縦走登山で、岩壁などの登攀は伴わないので単純です。

だから3~4人で役割は兼任し合います。サブリーダーはいません。リーダー以外全員がサブリーダーです。誰でもルートファインディングが出来て、先頭と後ろを歩けるようするのが理想です。
ただしリーダーは一人です。皆の意見も聞きつつ、最終的な進退の判断は一人でやるほうがスムーズです。

気心がしれていて、何度も一緒に登った仲間同士の登山ならば阿吽の呼吸で計画を進められます。

そんな仲間がいれば、みんなでワイワイ登る登山はとても面白いものです。


結論:パーティ登山は楽しいが、烏合の衆になるくらいなら単独のほうが安心かも?


パーティ登山を賛美するつもりが、単独行よりの結論になってしまいましたね(笑)

本当にそれぞれの良さがあるんです。
一人だと本がゆっくり読めたり、複数だとトランプができたり(笑)

要約すると、歩行メインのリスクの少ない山歩きで、パーティ組んで面倒くさくなるなら単独のほうが良いし、ちょっと一人では不安でリスク高めな雪山や岩がある山なら、信頼できるメンバー少数で行くのが良い、ということです。

はい、わりと普通の結論ですね(笑)
今日はこれで終わりです。
正しい知識は専門書を読んでくださいね(笑)


2018年2月5日

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