前回の記事では登山における花粉症対策として、僕が今までやってきたことをつらつらと書いてしまいましたが、結論として「花粉の少ない山にいけばいいじゃない」となりました。
ここでは、ちょっと突っ込んで「花粉の飛散量の少ない山はあるのか?」ということを調べてみました。
花粉症の主な原因はスギ・ヒノキの人工林
花粉が少なそうな山はどこか・・・。それは原因となるスギやヒノキの人工林が少ない山に違いない…。それならまず、忌まわしきスギやヒノキの人工林が少ない都道府県を調べてみました。まずは冷静に敵の数と敵の居場所を知ることです。
<都道府県別スギ・ヒノキ人工林面積(平成24年3月31日)林野庁HPより引用>
<都道府県別スギ・ヒノキ人工林面積(平成24年3月31日)林野庁HPより引用>
まずは都道府県別のスギ・ヒノキの人工林の面積を見てみましょう。面積の絶対数ですと、やはり地方(特に東北、九州)が多いですね。林業が盛んなエリアと言えます。樹木の種類で言うと、中部以西はスギ・ヒノキが共存し、関東以北はスギのみとなっていきます。
ここで注目すべきは北海道と沖縄です。北海道はその広大な面積のわりにスギ林はほとんど無いと言っても過言ではありません。沖縄にいたっては本当に皆無です。
あと他に気づく点は、東京都、大阪府、愛知県などの大都市を抱える都道府県にはスギ・ヒノキの林が少ないということです。
「じゃあ首都圏近郊の奥多摩や奥武蔵や、大阪なら金剛山などは安全なのかな?」と早合点するのは禁物です。
大都市を抱えている都道府県はそもそも森林面積が小さいのは当然です。どうせ僕たち登山者はその都道府県の森林面積が大きかろうが、小さかろうが山のなかに入ってしまえば、現在自分がいるその森林にどれだけのスギ・ヒノキがあるかによってダメージは変わってくるはずです。すなわち相対的なスギ・ヒノキの人工林の量が問題になってきます。
<資料:林野庁業務資料(平成24年3月31日現在)林野庁HPより引用>
林野庁HPによると日本の国土の森林面積の約28%がスギとヒノキとなっております。
意外と少ないと思うかもしれませんが、北海道にスギ林がほとんどなく、ヒノキ林も皆無なので、このような数字となっているようです。したがって、本州だけでいうともっと多いと思われます。
また、面積だけでいうと地方のほうがスギ・ヒノキの人工林が多い傾向にありますが、地方の場合は他の種類の木も多く自生してますので、相対的にはスギ・ヒノキの割合が少なかったりします。逆に、絶対的なスギ・ヒノキの人工林面積が小さくても、相対的には多い地域というのがあり、そういったところにピンポイントで人気の百名山やハイキングコースがあると地獄となるのです…。
では花粉が多そうな山、少なそうな山を特定してきましょう。
都道府県別、スギ・ヒノキ人工林面積の割合
<資料:林野庁業務資料(平成24年3月31日現在)林野庁HPより引用>
林野庁HPによると日本の国土の森林面積の約28%がスギとヒノキとなっております。
意外と少ないと思うかもしれませんが、北海道にスギ林がほとんどなく、ヒノキ林も皆無なので、このような数字となっているようです。したがって、本州だけでいうともっと多いと思われます。
また、面積だけでいうと地方のほうがスギ・ヒノキの人工林が多い傾向にありますが、地方の場合は他の種類の木も多く自生してますので、相対的にはスギ・ヒノキの割合が少なかったりします。逆に、絶対的なスギ・ヒノキの人工林面積が小さくても、相対的には多い地域というのがあり、そういったところにピンポイントで人気の百名山やハイキングコースがあると地獄となるのです…。
では花粉が多そうな山、少なそうな山を特定してきましょう。
都道府県別スギ・ヒノキ林面積の割合から花粉が多いであろう山を予測
<林野庁業務資料(平成24年3月1日)林野庁HPより引用>
まず、絶対的な数字で言うと森林面積は少ない東京都ですが、ここは奥多摩、高尾山などの人気ハイキングエリアを抱えており、首都圏から大変多くのハイカーが訪れます。ところが、東京都の森林面積に占めるスギ・ヒノキ林の割合は40%となっており決して少ない数字ではありません。
同じく首都圏近郊で奥武蔵や両神山などが人気の埼玉県のスギ・ヒノキ林の割合が46%となっております。これも多いですね。都会の人間が花粉症になるわけです。
金剛山で有名な大阪府は35%とまあ少ないとは言えない数字です。
他に関西で言うと六甲山・氷ノ山などがある兵庫県は39%と侮れません。
武奈ヶ岳、伊吹山のある滋賀県は40%と高めです。
大峰山のある奈良県は59%とかなりの数字です。
和歌山県も紀伊ノ国(木の国)と呼ぶに相応しく59%
東海地方だと南アルプス南部を抱く静岡県が50%、愛知県55%
他に高いところだと
佐賀県64%
高知62%
福岡県60%
愛媛県59%(西日本最高峰 石鎚山)
屋久島の屋久杉が有名な鹿児島県は44%(九州最高峰 宮之浦岳)
となっております。
では、花粉が少ない山はどこにあるか?
ここで面白いのが、北アルプス、中央アルプス、八ヶ岳などを擁する山岳大国の長野県では、スギ・ヒノキの人工林割合がなんと13%しかありません。
越後の山々を抱える新潟県は14%
同じく奥秩父、南アルプスを持つ山梨県は20%
谷川岳、赤城山などが人気の群馬県は24%
広大な大地を持つ北海道はなんと1%
沖縄は0%
以上から、標高が高い都道府県は比較的スギ・ヒノキの林が少ないとは言えます。ということは、低山ハイクを避けて残雪の山を狙うのは、花粉を避ける意味で有効な手立てと言えます。
もしくは北海道はおすすめですが、アクセス的な問題や、残雪が多すぎるという問題もあります。
沖縄も花粉は皆無かもしれませんが、登山に適した山は少ないですね。
また、花粉は風に流れて西から東へ、北から南へ行きます。従って関東平野、東海の太平洋側などは周辺の山々から花粉が飛んできやすいのです。そういうことも考慮して山を選ぶ必要があります。
まとめ:花粉症の人が登るべき山は
花粉症だけど山に登りたい人におすすめの山は…ずばり、- 北アルプスの山
- 上越の山
- 北海道の山
です。
しかしながら花粉の時期、これらの山はまだまだ雪深く、それ相応の装備と知識と体力が必要になります。くれぐれもお気をつけて下さい。
反対に、花粉症の人におすすめできないのは奥秩父、奥多摩、高尾山、奥武蔵、丹沢、金剛山、など、1,000超m級の山々です。
これらの山は人里にも近く、林業も盛んで典型的な人工林を山麓に持っています。おそらく地獄です(僕はこの時期近寄ったことがありませんが…)。これらの山に登るときは花粉対策は万全にしましょう。
花粉症と向き合いながらも安全で快適な楽しい登山をしたいものです!
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