2014年のゴールデンウィーク(GW)に南アルプスの仙丈ヶ岳(せんじょうがたけ 3,033m)に伊那側の地蔵尾根から登った際の記録です。過去の山行ですので、当時の記録を元に書き起こしてみました。
登山日程
2013年5月3日(前泊)~5月5日(山中1泊)
『2016年度版 山と高原地図 北岳・甲斐駒』より
DAY1・・・柏木集落(6時40分着)~孝行猿(7時18分着)~松峰小屋(12時19分着)~標高2,200m地点(13時50分着)幕営。
DAY2・・・テント場(4時40分発)~2,736mピーク(9時25分着)~仙丈ヶ岳山頂(11時23分着)~小仙丈ヶ岳(12時38分着)~北沢峠(14時30分)
装備
冬山装備一式(ピッケル、アイゼン、ストック、ワカン等) ロープ…無し。
アプローチ詳細
伊那市駅は休憩室内での駅寝が出来なかったはずなので、駅の外のトイレ近くにテントを張ってビバークしました。大学一年生のとき、初めての登山で初めての駅寝をしたときもここにテントを設営したのを思い出しました。
翌朝はタクシーで柏木集落まで。市野瀬まではバスが出ていますが、時間の問題とさらに先まで行けるタクシーを選択。(8,700円)
関連記事:駅寝(ステーションビバーク)マニュアル。
ルート詳細:DAY1 (天気:晴)
柏木集落の裏から入山。標高は1,115mくらい。ここから3,033mまでの長い尾根のスタートです。
6時59分
この地蔵尾根のルート、僕が持っている2016年度版の山と高原地図では破線ルートなのですが、ここはかの有名な「トランス・ジャパン・アルプス・レース(TJAR)」の南アルプスの入り口です。レースでは選手たちは中央アルプスを走り終えて、伊那を抜け、ここから再び山のなかに入るのです。
というわけで、けっこうトレースが明瞭な道となっています。それなのに、ゴールデンウィークにもかかわらず、人の気配は僕らの他には全くありませんでした(笑)。
8時10分
作業小屋跡です。登山道の間に作業林道が入り乱れているので注意です。赤、ピンクテープは多数です。
作業小屋跡です。登山道の間に作業林道が入り乱れているので注意です。赤、ピンクテープは多数です。
11時46分
12時19分
松峰小屋のある頭です。実は避難小屋があるんです。
12時33分
松峰小屋であります。ちょっと古いですがなかなかしっかりした作りです。
松峰小屋の内部です。綺麗に清掃が行き届いている感じです。150m下ったところに水場もあります。こういう小屋は冬には重宝しそうです。
本当はここに泊まりたいくらいですが、まだ行動を終えるには早いのでこの先でテント泊をするとします。
13時50分
残雪が多くなってきました。
8時34分
9時25分
地蔵岳のピーク付近です。
ルートミスして無駄にハイマツを漕いでしまいました。ルートは下をトラバースのようです。
ルートミスして無駄にハイマツを漕いでしまいました。ルートは下をトラバースのようです。
景色は最高でした。
この途中にある地蔵岳という2371mのピークがこの地蔵尾根の名前の由来です。
この途中にある地蔵岳という2371mのピークがこの地蔵尾根の名前の由来です。
10時19分
ライチョウ夫婦に出会います。右の頭に赤い鶏冠があるほうがオスです。
まだ半分以上冬毛ですね。山肌と一緒です。
まだ半分以上冬毛ですね。山肌と一緒です。
10時52分
地蔵尾根のハイライトです。
10時54分
尾根は細くなっているところもありますが、危険は感じません。なんちゃってナイフリッジです。
ただただ気持ちいい雪稜歩きです。
11時23分
仙丈ヶ岳山頂に出ました。山頂は北沢峠から登ってきた人で賑わっており、ビックリしました。僕はてっきり伊那側からのバスはこの時期無いものだと思っていたのです。静かな山頂を期待していたので少し興ざめでした。
11時43分
虹のように見えるのは環水平アークです。
虹のように見えるのは環水平アークです。
11時59分
下山開始です。地蔵尾根の登りとはうって変わってトレースだらけ、人が多い道を下って行きます。皆さん北沢峠からのピストンなので軽装です。テントを担いで来たのは僕らだけだったと思います。雪に慣れていない人もいたりして、狭い尾根では渋滞気味になることも…。
下山開始です。地蔵尾根の登りとはうって変わってトレースだらけ、人が多い道を下って行きます。皆さん北沢峠からのピストンなので軽装です。テントを担いで来たのは僕らだけだったと思います。雪に慣れていない人もいたりして、狭い尾根では渋滞気味になることも…。
12時38分
小仙丈ヶ岳から仙丈ヶ岳のカールです。
小仙丈ヶ岳から仙丈ヶ岳のカールです。
14時30分
北沢峠に着きました。どうやら少し下った「歌宿」というバス停から、伊那側からのバスが運行されているようです。事前に知っていなかったので、本当は歩いて下山しようとしていましたが、バスが運行されていると知れば使うしかありません(笑)。
北沢峠に着きました。どうやら少し下った「歌宿」というバス停から、伊那側からのバスが運行されているようです。事前に知っていなかったので、本当は歩いて下山しようとしていましたが、バスが運行されていると知れば使うしかありません(笑)。
15時15分のバスにぎりぎり乗れず、16時15分の最終バスで仙流荘へ(現在は若干時刻表改定されているようです)。
仙流荘で風呂に入り、ビールで身体を復活させると、今度は路線バスで伊那駅へ。岡谷経由で甲府に行き打ち上げをしました。その後は駅寝をして帰京となりました。
仙流荘のHPはこちら
仙流荘で風呂に入り、ビールで身体を復活させると、今度は路線バスで伊那駅へ。岡谷経由で甲府に行き打ち上げをしました。その後は駅寝をして帰京となりました。
仙流荘のHPはこちら
関連記事:公共交通利用登山のススメ。
総括
仙丈ヶ岳の地蔵尾根は伊那側の集落1000m付近からから3000m級の頂上までずーっと続く尾根です。地形図を見てもとにかく大きな目立ちます。歩くと広くて気持ちいいに決まってます。それに雪がつくとさらに最高でした。
ややルートファインディングに注意ですが、たいした危険箇所も無く、ゆるーく雪稜歩きを楽しめるルートです。標高差もあるので体力レベルはそれなりに必要かもしれません。
チャレンジングな感じではありませんでしたが、山の楽しみは存分に味わえるような山行でした。
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