2015年の8月に福島・新潟・山形の三県にまたがる名峰、飯豊山(いいでさん 2105.2m)を縦走した際の記録です。弥平四郎登山口から入山し、三国岳、飯豊本山、大日岳、北股岳、杁差(朳差・えぶりさし)岳までの縦走です。
過去の山行ですが、当時の記録を元に書き起こしてみました。
登山日程
2015年8月8日~8月12日(山中3泊)
メンバー
単独
交通手段
公共交通
往路:JR磐越西線野沢駅まで青春18きっぷ使用、タクシーで弥平四郎登山口まで。
(タクシー料金:9,460円 所要時間:約50分)
(タクシー料金:9,460円 所要時間:約50分)
復路:大石ダムから徒歩でJR米坂線越後下関駅へ。本当はバス利用のつもりでしたが時間が合わなかったので歩きました…。
登山形態
テント泊縦走(飯豊山にキャンプ指定地の明記は無いが、小屋周辺で幕営可能)
ルート
DAY1・・・弥平四郎登山口(18時35分発)~祓川山荘(18時45分着)泊。
DAY2・・・祓川山荘(04時50分発)~イボ岩分岐(07時50分着)~三国小屋(09時04分着)~種蒔山(10時33分着)~切合小屋(10時49分)~草履塚(11時56分)~大休止~本山小屋(13時40分)幕営地。 15時30分~16時30分山頂往復
DAY3・・・05時30分出発~飯豊本山(05時48分)~御西小屋(07時07分着・07時32分発)~大日岳(8時28分)~御西小屋(9時41分着・10時20分発)~御手洗ノ池(11時43分)~烏帽子岳(13時03分)~梅花皮小屋(14時00分)幕営。
DAY4・・・06時00分発~北俣岳(06時24分)~門内岳(07時11分)~扇ノ地紙(07時43分)~頼母木山(08時39分)~大石岳(09時47分)~鉾立峰(10時32分)~朳差小屋(11時44分)避難小屋泊。
DAY5・・・05時40分発~長者平(06時12分)~前朳差岳(06時33分)~千本峰(07時28分)~権内ノ峰(07時56分)~カモス峰(08時29分)~林道入口(10時05分)~林道終点(11時06分)~大石ダム(11時50分)~大石入口バス停(12時39分)~道の駅関川ゆ~む(14時25分)
装備
夏山テント泊装備(シングルウォールテント)、どこでもベープみらい(虫よけ)
アプローチ詳細
青春はとうに終わっていますが、青春18きっぷで野沢駅まで。事前にタクシーを予約した際に、徳沢駅からは嫌がられたため、野沢駅から行きました。夕方からの入山でしたが、登山口すぐそばの避難小屋である祓川山荘で一日目の夜を明かしました。
ルート詳細:DAY1 (天気:晴)
夕方遅くからの入山です。すでに樹林の中は薄暗いのですぐにヘッドライトを取り出しました。
祓川山荘(はらいがわさんそう)です。見た目はぼろそうですが、結構大きく、中の設備もちゃんとしています。すでに2~3パーティの先客がいました。中高年が多かったです。
樹林帯に立っていますので小屋内は暗いです。外にテントを張ってもよさそうですが、中を利用させていいただきました。
小屋内に水道が通っております。明るくなってから見れば、良い小屋でした。
ルート詳細:DAY2(天気:晴れときどきガス)
美しいブナの森が広がります。
水場も豊富です。
疣岩(いぼいわ)分岐では景色が一望できます。
疣岩(いぼいわ)分岐です。一応、三角点がありました。
東北独特のブナの山塊が続きます。
高山植物も咲き乱れています。
三国小屋ではガスに巻かれました。
ガスに巻かれても絶えず登山道沿いの高山植物が楽しめます。
独特の地形のお花畑です。
右下に切合小屋が見えます。
ガスが切れて飯豊本山が見えるのをひたすら待ちました。
お花畑トレイルです。
飯豊本山小屋です。神社も併設されています。
本山小屋では幕営可能ですが、大きいテントを張るような場所は少なかったです。
テント代は500円。
水場はテントサイトから少し下ります。
イイデリンドウが咲いています。
山頂はガスりがちでしたが…
時折ガスが飛んで晴れ間が。
山頂のパノラマです。
飯豊らしい風景です。
ルート詳細:DAY3(天気:晴)
朝焼けの中の大日岳です。
飯豊連峰らしいトレイルを歩きます。
ヒナウスユキソウです。
左に小さく見えるのが御西小屋で、ここから大日岳まで往復しました。
大日岳までの途中、なんて雄大なトレイルでしょうか。
大日岳山頂です。もちろん360度のパノラマ。
北俣岳と下の方に梅花皮小屋(かいらぎこや)が少し見えています。
御西小屋から梅花皮小屋までは暑くてペースが上がらず、かなり休憩多めで進みました。
また、道も結構細かなアップダウンがあり、熱中症一歩手前でした…。
このとき「この憎たらしい太陽光を利用できれば」と思い、後日太陽光発電を導入するきっかけになりました。
関連記事:レビュー:登山で超絶重宝するソーラーパネル!SUNTACTICS sChargerシリーズ。
梅花皮(かいらぎ)小屋です。幕営が可能ですが、場所が限られているようで、先着順です。遅れてくると小屋泊となってしまいます。テント代500円。
いくら眺めても飽きない雲を眺めながらビールを飲みました。
ルート詳細:DAY4(ガス)
4日目はガスからスタートとなりました。
雄大な山稜にガスが流れていきます。
北俣岳山頂です。
ガスで視界が無い代わりに日差しも無いので前日とくらべて足取りが軽いです。
頼母木小屋(たもぎこや)の水場は優秀でした。
大石山です。
日差しが無い代わりにヘビが多いです。
あとこの謎の昆虫がたくさんいてウザかったです。
朳差岳(えぶりさしだけ)と朳差小屋です。昼前には着きましたが、この日はここで泊まりました。
朳差小屋は素晴らしい無人小屋で、立地も最高ですし、中も綺麗でした。
清水が湧き出る水場もあります。
朳差岳から小屋を見たところ。素敵な立地です。
小屋には最終的に数人泊まることとなり、皆さん談話を始めてましたが、コミュ障の僕は入らず。
というか一人になりたくて山に入っているのに知らない人と話す気になかなかなれないんですよね。
もちろん、心細い時は人がいたら嬉しくなりますが…。
ルート詳細:DAY5(天気:晴れ)
五日目の朝です。曇っていますが、天気は良さそうです。
朳差岳山頂付近の湿原です。
千本峰手前から樹林に入ります。
カモス峰から急坂で足場が悪くなります。脚を止めているとアブがやってきます。メジロアブのようです。さされたら嫌なので暑いのを我慢してレインウェアを上に着て行動していました。
効いているかどうかわかりませんが、携帯用虫よけである「どこでもベープ」を装着しておりました。
林道の入り口です。林道では思っていたほどメジロアブはおらず、群もいませんでした。
大石ダムです。
大石ダムは国土交通省管轄ですので…
ダムカードがあるはず!
…って…ん?ない?
というわけで、施設のおじさんに
「ダムカードないじゃないか、ダムカードおくれよ~」
と言ったところ、
「あんちゃん、特別だよ」と二枚もくれました(笑)。一人一枚って書いてあったのに。
「ダムカードって何だよ?」って人は読んでみましょう♪
大石入り口のバス停までたどり着きましたが、本数がクソほど少なかったので2時間ほど駅まで歩きました。うん、それはそれで楽しかったです。越後下関の近くに道の駅関川があるので、そこにある温泉施設(桂の関温泉「ゆ~む」)で入浴ができます。
そして、この日のうちに電車を乗り継ぎ、新潟駅近くの漫画喫茶で一泊して翌日帰京しました。
関連記事:公共交通利用登山のススメ。
総括
学生の頃から行きたかった飯豊連峰。念願の縦走ができました。やはり東北の山らしい雪の織りなす地形とお花畑など、限りなく天国の風景に近いトレイルでした。急な登りもあまりなく、小屋も水も充実してインフラは申し分ありません。ただ、東北とは言え、夏は暑いです。また、虫もたくさん出ます。小屋の周りにはそんなに虫はいませんでしたが、北部に行けばいくほど色んな虫が出てくる印象でした。林道ではメジロアブに警戒していましたが、幸い大したことはなく。しかしたまたまかもしれませんので、これから行く人は何かしらの対策はしたほうが良いと思います。
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