まだ試作段階ですが、シングルバーナーの風防をちょっと変わった視点から作ってみました。でも使用に少し危険を伴うのでマネをしないでくださいね!
従来の風防の問題点
風防とは文字通り「風を防ぎ」バーナー(ストーブ)の炎の揺らぎを抑えて燃焼効率を安定させるためのものです。
野外で調理をする際は風のせいでストーブの炎が不安定になり、沸騰まで時間がかかってしまったり、燃料の消費も多くなってしまうこともあります。そんなときに風防はとても有効です。最近は風に強い構造のストーブも出回ってますが、物理的に壁を作って風をシャットアウトするのが一番効果的です。
しかし僕が常々風防について思っていたのは、重さと嵩張りでした。コンパクトなものでもそれなりの重量がありますし、嵩もあります。
炎の回り全部を覆う必要は無いし(全部を覆っては危険なので)、もっと形状を省いたものではダメなのか?と思っていました。
こちらは直結型用
こちらは分離型用
風防をガスカートリッジと一体化させる
行き着いた先はガスカートリッジと風防の一体化でした。
最初に断っておきますが、これは110サイズ用のガスカートリッジ(径の小さいガス缶)と、そのカートリッジの径に収まるサイズのストーブとクッカーの利用が前提となります。したがって、ソロクッカー専用です。
まず、市販の折り畳み式のステンレス製風防を解体して2枚だけ残します。
解体するステンレス製風防は分離式ストーブ用の高さの低いものにします。
風防の板をガスカートリッジの曲線に沿うように曲げます。手で曲がります。
100均で売ってる強力磁石をテープで二ヶ所張り付けたら完成です。本当はテープはアルミテープなど耐熱性のあるものを使った方がいいんでしょうが、無いのでビニルテープです。
磁力で風防をカートリッジに張り付けます。
カートリッジの半径分だけ壁に覆われた形になります。
多少ガスカートリッジの径よりゴトクが大きくても大丈夫です。
熱をカートリッジに伝えるパワーチャージャー効果も
クッカーとストーブをかなり近い位置で囲うことになります。炎に近い風防の上部は熱でかなり熱くなり、その熱は風防の下部にまでじわじわ伝わってきます。そして、カートリッジを少しずつ温める効果がありそうです。
ガス(とくにブタンガス)は低温では気化しにくく、燃焼させるには外気温が10℃以上あることが望ましいです。
ガスは気化する際に空気中から熱を奪っていきます(気化熱)。ですからカートリッジはどんどん冷えて行くのです。それが冷えすぎると気化熱をうまく奪えなくなるので、うまく気化しないという現象が起こります。
低温下での安定的な燃焼促進のために各燃焼器具メーカーでも「パワーチャージャー」と言うものが発売されています。
キャプテンスタッグ(CAPTAIN STAG)
2012-03-09
使用上の注意・警告
そもそもこの風防は危険です。
本来風防でストーブとガスカートリッジを覆うときは適度に距離を置いて、全部を覆わないようにします。
これは一酸化炭素の発生抑制と、熱が風防とガスカートリッジの間にこもってカートリッジが熱されないようにするためです。カートリッジが過度に熱せられると爆発の恐れがあります。
だから本来このような形で炎に近いところに風防を設置すると危ないわけです!
しかし一酸化炭素については半分開けているし、屋内では使わないし、時間も短ければ問題ないでしょう。
カートリッジが熱されることについては、逆手にとってパワーチャージャーとして使っていますが、これはちょっと危険です。
特に夏場は危ないかもしれません。ガスカートリッジは40℃以下で保存することが明記されていますので、熱くなりすぎないように目を離さず確かめながら使う必要があると思います。
現在一回しか使用しておらず、風避けの効果がどれほどあるのか、とりあえずテストを続けたいところです。低山じゃなくて高山での実用性を見てみたいものです!
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