ビクトリノックス(VICTORINOX)と言えばスイスのポケットナイフ・マルチツールの世界的ブランドとして有名です。沢山の機能と種類がありますが、滅多に使わない機能もありますし、それどころか用途不明なものもあります。これらが山で本当に役に立つのか考察してみます。
ビクトリノックス“クライマー(旧称トラベラー)”の謎の機能
ビクトリノックスと言えば“オピネル”と並ぶナイフブランドであることは登山をやっていれば誰もが知ってると思います。またビクトリノックスはナイフだけでなくマルチツールの代名詞でもあります。種類も多く、中には83機能が着いたオバケモデルもありますが、僕的には“クラシック”と“クライマー(旧称トラベラー”と“キャンパー”の3モデルさえ抑えておけば十分だと思っています。
僕が現在持ってるビクトリノックスのナイフは“クライマー”です。昔はトラベラーという名前でしたが今はクライマーという名前になっているみたいです。ちなみに、かつて“クラシックSD ”も持っていましたが、不運にも無くしてしまいました。
僕の“クライマー(旧称トラベラー)”です。ビクトリノックスの中でも代表的なミドルサイズモデル。“ハントマン”からノコギリを省略している。重さ:82g
クライマーの機能一覧
- ナイフ(大・小)
- 栓抜き(先端にマイナスドライバー大)
- 缶切り(先端にマイナスドライバー小)
- ハサミ
- コルク抜き
- 栓抜き
- リーマー
- マルチフック
- ワイヤーストリッパー
- 爪楊枝
- ピンセット
このなかで聞きなれない機能があります。リーマー、マルチフック、ワイヤーストリッパーです。「なんだそれは?どれのこと?」と思う人もいるかもしれません。
リーマー(写真中央左)
マルチフック(写真中央右)
リーマー・・・千枚通しのことです。穴が付いているため、糸を通して皮を縫うことができます。
マルチフック・・・ぶっちゃけ用途はよくわかりませんが、色々なモノを引っ掻ける際に使うみたいです。公式動画では自転車のチェーンを外すときに引っ掻けて取り出してました。
ワイヤーストリッパー(栓抜きの付け根の小さいU字の凹部分)
ワイヤーストリッパー・・・配線などの導線を覆うビニールを剥くやつみたいです。アウトドアでは使わなさそうですね。
ビクトリノックスのマルチツールは登山で使える?
そもそも僕が“クライマー”を買った理由は、お店でとても安く売られていたからです。確か旧パッケージか何かだったので安くなっていました。あと、ハサミが付いているのが便利だと思ったからです。以前使っていた“クラシックSD”はハサミが付いていましたので。
でもこれかビクトリノックスを登山用品で購入を考えている人にあえて言うと、僕はナイフとハサミとコルク抜き以外はほとんど山で使いません。
ハサミはテーピングのテープを切ったり、細引きを切ったりなど、使い勝手は良いです。まあナイフでもいいんですが、リペアシートなどのカットはハサミが便利です。また、怪我の応急処置で衣類を切るときもナイフよりハサミでしょう。
ナイフは自炊のときには活躍します。
コルク抜きもワインを持ってきた際には必須機能です。
ピンセットはファーストエイドで刺抜きで使えそうです。
では、あとの機能はいったいいつ登場するのか…って感じです。希に栓抜きや缶切りくらいは活躍するかもしれませんが、栓抜きが必要なビンを山に持って行くことはほとんどありませんし、今どき缶切りが必要な缶もほとんどありません。
リーマーはかなりサバイバルな状態になれば重宝するかもしれませんが、マルチフック、ワイヤーストリッパーに至っては使うシーンすら浮かびません(笑)。
追記:マイナスドライバーはギアの調整に使う可能性があります。
かといってビクトリノックスの機能が実用的では無いわけではありません。ただあくまで僕の登山のスタイルには登場する出番が無いのです。コルク抜きは家で一番活躍してますが…(笑)
ビクトリノックスのナイフで登山にオススメのモデル
ビクトリノックスのマルチツールで代表的なアウトドアモデルとして“キャンパー”というモデルがあります。これは一見すると登山に向いてそうですが…
“キャンパー”は“クライマー”からマルチフックとハサミを無くして、ノコギリが加わってます。“ハントマン”からハサミとマルチフックを無くしたとも言えます。
僕は…ハサミのほうが便利だと思います。キャンプならノコギリを使うかもしれませんが、それなら大きめのノコギリを単体で持っていきたいですね。
というわけで“キャンパー”もオススメ度は△です。
ではオススメはというとやはり“クラシックSD”になります。
ナイフ、ヤスリ、マイナスドライバー、ハサミ、ピンセットというエッセンシャルな機能を持ちながらも、小型で軽量なため、ファーストエイドキットに忍ばせておくには一番良いと思います。価格もお手頃です。
ちなみに“クラシック”と“クラシックSD”の違いはヤスリの先端にマイナスドライバーが付いているか付いていないかの違いです。マイナスドライバーが必要なギアを携行するひとはあったほうがいいかもですね。
僕は一度無くしてしまってから「同じものを二度買うのもバカらしい」と思って買っていませんが、やっぱりこれが山には一番良いでしょう。
“クラシック”のナイフブレードは小さいのでもし自炊用でナイフがいるならナイフは別で持っていったほうが良いですね。
コメント
コメント一覧 (4)
ペグ抜くのに使ったりしてます
便利です
コメントありがとうございます。確かにペグ抜きに便利そうですね!教えていただきありがとうございます。
コメントありがとうございます。
恥ずかしながらガットフックって何?と思い、調べてしまいました。
たまにナイフについてる「返し」のような部分で、ハンティングでガット(動物の腸などの筋)を切るためのフックなんですね。見たことあるけど用途を理解してなかったです。勉強になりました。
それを踏まえると、ビクトリノックスのマルチフックはナイフのガットフックのような薄さはなく、厚みのあるただのフックですので、ガットフックのような用途は難しいと思います。