ローカットシューズで爪を痛めた武勇伝
ある人からこんな話を聞いたことがあります。その人はこう言いました。
「初めてまともに山に行くんで、登山靴買いに行ったんですよ。一緒に買いに行ってくれた同僚がかなり山をやってる奴で~。その人曰くローカットで十分ってことで、のせられてローカット買っちゃったんですけど、下山で爪先が靴の中で当たって痛くて痛くて…。ハイカットだと足首が固定されているから靴のなかで足が前にずれないじゃないですか。やっぱ最初からローカットとかレベル高いですよね~。」
これは僕が某アウトドアウェブメディア運営会社に採用面談に行ったときに、先方の担当者さんから聞いた話なわけなんですが。
どこのアウトドアウェブメディアかは言いませんが、検索すると一番上によく出てくるやつですね。
そのときは僕もつっこみませんでした。というか、その人が自分の話に酔っちゃう系の人で、「俺は仕事が出来る」的な雰囲気を会話の節々に出してくるわけです。その「爪先が痛くなっちゃった話」も「初心者の俺が上級者の真似して痛かったけど、そういう経験もしてる俺」みたいな武勇伝のような話ぶりなので、「それ靴紐の結びかた悪かったんちゃいます?」の一言で話の腰を折るのも可愛そうな気がして黙ってました(笑)
あとやっぱり思っていたけど、ウェブマーケティングとかには精通してても、山に関しては素人っぽい感じの人なんだなーと。
ま、選考は余裕で落ちましたが(笑)
少し前にネットで話題になった「ヒールロック」
話は逸れましたが、ローカットシューズで爪先を痛めない結び方、それは「ヒールロック」という結び方です。なんだかクライミングのムーブっぽい名前です。あ、それはヒールフックですね…。
実はこのヒールロック、ちょっと前にネットで話題になったりもして、知ってる人も多いかもしれません。
僕もそのとき知ったんでこれはパクリ記事なんですがね…(笑)
実はこのヒールロック、ちょっと前にネットで話題になったりもして、知ってる人も多いかもしれません。
僕もそのとき知ったんでこれはパクリ記事なんですがね…(笑)
スニーカーの余った謎の穴、実に役立つ正体が判明!(NAVERまとめ)で紹介されています。
しかしながら上記サイトでは一般的なスニーカーのフィット感の向上や靴擦れ防止などにしか言及してません。山登りでの応用についても触れていないです。
トレランやローカットシューズの登山でこそ役立つヒールロック
「ヒールロック」はまさにトレイルランニングや登山の下山時に真価を発揮します。最近は荷物を軽くしてトレランシューズやローカットシューズでトレッキングを楽しむ人も増えていることと思います。しかしローカットシューズにはいくつかの点で問題があり、そのうちの一つがフィット感です。
従来の登山靴と呼ばれるものはすべてハイカット~ミッドカットで足首までしっかり包み込まれています。これらは足首を固定し、捻挫の防止や靴のなかでの足の動きを少なくする役割があります。足首まで固定することで、靴と足の一体化を目指し、靴擦れなどを防ぐわけです。
一方、ローカットシューズでは足首までは覆われないので、固定箇所が足の甲の紐だけになりますので足の両サイドから押さえるだけになります。これだと激しい下りの道では靴のなかで足が前に動いてしまい、爪先を痛めるおそれがあります。
ところが、ヒールロックにすることで足首の下の部分を包み込むようにホールドできます。それによって足首も固定され、靴のなかで足が動きにくくなりますので、下りで爪先が前に当たらなくなりますし、靴擦れ防止にもなります。ローカットでありながらちょっとミッドカットに近づいたようなフィット感が得られます。
実際に山でヒールロックやってみた感想
まずはヒールロックの結び方から
靴の最上部の2連ホールにこのように紐を通し、ループを作ります。
こうです。
反対側の紐の先をループに通します。
こうです。
通常の結び方だと下り坂で爪先が当たり痛みを感じましたが、ヒールロックだと全く当たりませんでした(個人の感想です)
「ローカットシューズで登山してみたいけど少し不安…」と思っている方も「ヒールロック」結びでチャレンジしてみてはいかが?(ただしローカットシューズだと重い荷物の荷重には耐えられないのでLight&Fastな登山でのご利用をお勧めします)
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