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ヘリテイジ社から新たに発売された「ダブルウォール軽量山岳テントHI-REVO(ハイレヴォ)。カモシカスポーツ本店で実物を拝見し、店員さんにお話も伺っちゃいました。



薄い。とにかく生地が薄い。


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画像出典:カモシカスポーツホームページ



詳細なスペック、レビューはカモシカスポーツのブログを見ていただきたいと思います。ここでは僕が見て感じたことと、店員さんに聞いた、ぶっちゃけたお話だけ書きます。

まず、めちゃうすな生地です。本体とフライが15デニールナイロンリップストップ、グランドシートですら20デニールです。15デニールナイロンだと指で押すと透けます。膜のような感じですね。グランドシートですら透けます。こりゃ岩場や小石のあるテント場に貼るとすぐ穴が開きそう…と思って店員さんに聞くとやはり「生地に耐久性なんて無い」とのこと。なんなら「ポールスリーブも薄いから勢いよくポールを入れると先っちょが破れるかも」とのこと。「風でポールがスリーブ内で動いてそのうち破ける可能性もあるかも」とも…。

やはり、960gという軽量の実現にはそれなりの理由があります。

軽さの理由は極薄生地だけでは無くて、7.5㎜径の世界最軽量ポールにもあります。まるで鉛筆のような細さで、こんなんで耐久性は大丈夫なのか?と思ってしまいますが、フィールドテストはしてる模様。でも店員さんも普通のテントと比べたら「弱い」と。そりゃそうだ。

フライシートはズボンで例えると八分丈くらいでしょうか。雨水の吹込を防ぐ最小限のサイズであるそうですが…バスタブの高さも低くなっていますので、かなり際どいでしょう。



色々犠牲にしてることをわかってもらったうえで買ってもらわないと


ここまで店員さんに聞くと、新製品を貶める回答しか返ってこないので心配になりましたが、最後に大事な一言をいただきました。

「そういうもん(色々犠牲にしている製品)だってのをわかってもらったうえで買ってもらわないと。あとで文句言われても困っちゃう。」

軽量化はどうしても何かを犠牲にします。安全性を犠牲にしない程度に耐久性などを削り、軽量化を実現することで、歩行時の快適性をあげているのです。

しかし天井も高く、居住性は良さそう。ソロには十分な広さです。居住性と軽さを優先したという感じです。

普通の山岳テント(エスパース)と比べると耐久性に劣ると言わざるを得ない「HI-REVO (ハイレヴォ)」ですが、限定的な用途ならば快適な稜線歩きを実現出来そうなので、そういうニーズはあるでしょう。



シェルターかテントか悩んでいる人にはおすすめ!


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画像出典:カモシカスポーツFacebook



僕の結論として、ドーム型シェルター(ヘリテイジ社クロスオーバードーム)より通気性があって、雨にも強いが、他の山岳テント(エスパース)と比べるとハードに使うことは出来ない…という感じです。比較的天気の良い夏山縦走とかでしょう。台風などにはまず耐えられないでしょう。しかしツェルトに比べたらかなり良い居住環境と耐久性です。

従来、ツェルトは緊急時のシェルター的な役割です。しかし設営が手間だし、居住性も良いとは言えない。ツェルトの居住性と設営手間を解消したのがドーム型シェルターで、それを常宿として積極利用する流れから「クロスオーバードーム」が生まれた…という認識を僕はしています。

そのクロスオーバードームにフライを付けて山岳テントのスペックに近づけたのが「HI-REVO (ハイレヴォ)」だと僕は思いました。

だから「HI-REVO (ハイレヴォ)」はエスパーステントから引き算で生まれたというより、軽量シェルターにテントの機能を最低限だけ足していった結果生まれた…という印象です。

軽さのギリギリまでの挑戦というところでかなり気になるアイテムではありますので、シェルター買うか、テントを買うか悩んでいるくらいの人にはおすすめです!



ヘリテイジ クロスオーバードーム シングルウォールテント


クロスオーバードーム



おわり

2018年6月21日



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